三昧
「贅沢三昧」などのように使う「三昧」という言葉。
「三昧」は、音読みで「ざんまい」と読みます。
「三昧」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「三昧」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
三昧の意味
「三昧」には次の三つの意味があります。
1ともすればその傾向になるという意を表す。
2そのことに熱中するという意を表す。
3 心のままにするという意を表す。(出典:デジタル大辞泉)
それぞれの意味、使い方、類語については下記の通りです。
三昧の意味①「ともすればその傾向になるという意を表す。」
「三昧」の一つ目の意味は「ともすればその傾向になるという意を表す。」です。
簡単に言い換えると、そのことをしたがる傾向のことです。
具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・静かに連歌の三昧を楽しみたいため、わざわざ不便な所へきたのじゃ。
(出典:吉川英治『鳴門秘帖』)
・一日の仕事が一段落ついて、今少しすれば食欲三昧の時が来る。
(出典:岡本かの子『異国食餌抄』)
・情の赴くまゝにまかせてしたい三昧のことをしてゐる人だちもある。
(出典:田山花袋『道綱の母』)
類語
・傾向(けいこう)
意味:物事の大勢や態度が特定の方向にかたむくこと、または、かたむきがちであること。(出典:デジタル大辞泉)
・したい放題(したいほうだい)
意味:したいだけすること。自分勝手にふるまうこと。(出典:デジタル大辞泉)
・傾き(かたむき)
意味:傾くこと。また、その度合い。傾斜。(出典:デジタル大辞泉)
三昧の意味②「そのことに熱中するという意を表す。」
「三昧」の二つ目の意味は「そのことに熱中するという意を表す。」です。
簡単に言い換えると、物事に熱狂的に取り組むことです。
具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・俺の忠告に従つて文学三昧も好い加減に止めにして政治運動をやつて見い。
(出典:内田魯庵『貧書生』)
・田中は毎年夏になると軽井沢でゴルフ三昧の毎日を送るのを楽しみにしていた。
(出典:水木楊『田中角栄 その巨善と巨悪』)
・そうやって瞑想三昧にふけりながら、静かな数時間をじっとしていた。
(出典:ハーン/斎藤正二訳『怪談(完訳)』)
類語
・無二無三(むにむさん)
意味: 脇目もふらず、一途になること。ひたむきになるさま。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・のめり込む(のめりこむ)
意味:ある環境や状況の中に深く入り込む。(出典:デジタル大辞泉)
・熱心(ねっしん)
意味:ある物事に深く心を打ち込むこと。また、そのさま。(出典:デジタル大辞泉)
三昧の意味③「心のままにするという意を表す。」
「三昧」の三つ目の意味は「心のままにするという意を表す。」です。
この三昧は自分の思うままに振る舞うことを指しています。
具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・わたしにはつづけさせることのできなかった贅沢三昧を、ほかの男がさせてやっているのです。
(出典:デュマ・フィス/石川登志夫訳『椿姫』)
・検事はあたしたちの遊戯三昧の生活を非難して、長いお説教をした。
(出典:江戸川乱歩『江戸川乱歩全短編01 本格推理Ⅰ』)
・君は、今のこの贅沢三昧の僕に魅かれているんじゃないのかい?
(出典:森瑤子『ドラマティック・ノート』)
類語
・専横(せんおう)
意味:好き勝手に振る舞うこと。また、そのさま。わがまま。(出典:デジタル大辞泉)
・得手勝手(えてかって)
意味:他人のことは考えず、自分に都合のよいように行動すること。(出典:デジタル大辞泉)
・好き放題(すきほうだい)
意味:自分の好きなだけ気ままに振る舞うこと。(出典:デジタル大辞泉)