一部始終
「一部始終を説明する」などのように使う「一部始終」という言葉。
「一部始終」は、音読みで「いちぶしじゅう」と読みます。
「一部始終」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「一部始終」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
一部始終の意味
「一部始終」には次の意味があります。
・事の始めから終わりまで。物事のくわしい事情。事のなりゆき、てんまつ。(出典:四字熟語を知る辞典)
「一部始終」はもともと「一部の書物の初めから終わりまで」を意味する言葉ですが、転じて「物事の始めから終わりまで」を意味するようになり、さらに転じて「物事の詳しい事情」という意味でも使います。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・昨夜の出来事の一部始終を語って聞かせた。
(出典:宮部みゆき『ICO -霧の城』)
・飲み会の輪には立場上入れなかったが、一部始終を見ていた。
(出典:鳥飼否宇『中空』)
・彼女が知っているかぎりの一部始終を伝えたのだ。
(出典:井上荒野『だりや荘』)
・俺はその間、突っ立って一部始終を眺めていたわけではなかった。
(出典:ベニー松山『風よ。龍に届いているか(上)』)
・土手の上で、この一部始終を見物していた数名の武士があった。
(出典:坂口安吾『落語・教祖列伝』)
類語
・全て(すべて)
意味:ことごとく。残らず。(出典:デジタル大辞泉)
・詳細(しょうさい)
意味:細部に至るまでくわしいこと。また、そのさま。(出典:デジタル大辞泉)
・全部(ぜんぶ)
意味:ある物事のすべて。みな。全体。(出典:デジタル大辞泉 )
・あまねく
意味:もれなくすべてに及んでいるさま。広く。一般に。(出典:デジタル大辞泉 )
・皆(みな)
意味:残らず。ことごとく。すべて。みんな。(出典:デジタル大辞泉 )