一身上
「一身上の都合」などのように使う「一身上」という言葉。
「一身上」は、音読みで「いっしんじょう」と読みます。
「一身上」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「一身上」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
一身上の意味
「一身上」には次の意味があります。
・その人自身の身の上、境遇などに関すること。個人的な事情。(出典:精選版 日本国語大辞典)
退職する時など、その理由を深く追求されたくない場合における暗黙の意思表示として使用されることが多いです。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・彼は一身上のことについて彼女に相談するのが楽しみだった。
(出典:ロラン・ロマン『ジャン・クリストフ』)
・私は一身上のことは何でもその人に相談しています。
(出典:豊島与志雄『反抗』)
・科学は社会生活者としての自己の一身上の立場から事物を取り上げるのではない。
(出典:戸坂潤『思想としての文学』)
・私にはさっぱりわかりませんが、私の一身上の問題にこうも干渉するのは何者でしょうか?
(出典:A・C・ドイル『新潮文庫 シャーロックホームズ全集 バスカヴィル家の犬』)
・だいたいこういう場合は、言いにくい理由を一身上という言葉でくるむものだ。
(出典:今野緒雪『マリア様がみてる 25 大きな扉 小さな鍵』)
類語
・身の上(みのうえ)
意味:その人にかかわること。また、その人の境遇。(出典:デジタル大辞泉)
・状況(じょうきょう)
意味:移り変わる物事の、その時々のありさま。(出典:デジタル大辞泉)
・プライベート
意味:個人的な物事であるさま。公のものでないさま。(出典:デジタル大辞泉)
・身元(みもと)
意味:その人の出生・出自・経歴などの事柄。(出典:デジタル大辞泉)
・素行(そこう)
意味: 平素の行状。平生の行ない。ふだんの品行。(出典:精選版 日本国語大辞典)