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一献とは?意味、類語、使い方・例文をわかりやすく解説

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一献

「それでは、一献」などのように使う「一献」という言葉。

「一献」は、音読みで「いっこん」と読みます。

「一献」とは、どのような意味の言葉でしょうか?

この記事では「一献」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介して、わかりやすく解説していきます。

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一献の意味

「一献」には次の二つの意味があります。

1小規模な酒盛り。また、酒をふるまうこと。
2二献、三献と、段々に酒をすすめる時の一度目の酒肴のこと。(出典:精選版 日本国語大辞典)

それぞれの意味、使い方、類語については下記の通りです。

一献の意味①「小規模な酒盛り。また、酒をふるまうこと。」

一献の一つ目の意味は「小規模な酒盛り。また、酒をふるまうこと。」です。

宮廷での神事などで酒宴が催されたとき、大きな盃に酒を満たし、それをみなで飲みました。
これが一巡すると一献になり、三献が普通だったとされています。

小説などでの具体的な使い方や類語は下記の通り。

使い方・例文

・「わしにも一献くれんか」 酒に酔わなくても劉備の頭は混乱中である。
(出典:酒見賢一『泣き虫弱虫諸葛孔明』)

・参右衛門はどこで手に入れたものだか珍らしく私に一献酒を注いでくれた。
(出典:横光利一『夜の靴』)

・民芸協会の人たちは、別室に案内されて、もう一献の酌を受けていた。
(出典:長部日出『鬼が来た 棟方志功伝(下)』)

・今年、中秋の名月を見ながら一献差し上げたいということで呉氏を招いた。
(出典:倉橋由美子『倉橋由美子の怪奇掌篇』)

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類語

一酌(いっしゃく)
意味:一杯の酒。また、ちょっと酒をくみかわすこと。(出典:精選版 日本国語大辞典)

酌(しゃく)
意味:酒をつぐ。(出典:デジタル大辞泉)

浅酌(せんしゃく)
意味:ほどよく酒を飲むこと。(出典:精選版 日本国語大辞典)

飲酒(いんしゅ)
意味: 酒を飲むこと。(出典:精選版 日本国語大辞典)

一献の意味②「二献、三献と、段々に酒をすすめる時の一度目の酒肴のこと。」

「一献」の二つ目の意味は「二献、三献と、段々に酒をすすめる時の一度目の酒肴のこと。」です。

この一度目の酒肴は打鮑(うちあわび)です。
二献めは勝栗、三献めは昆布です。
これはかつて戦に出る前の出陣式で、「敵に打ち、勝ち、喜ぶ」というゲン担ぎからきているようです。

小説などでの具体的な使い方や類語は下記の通り。

使い方・例文

・次に打鮑を取って細き身を喰らい、残りをば左より右へ角違いに置いて又一献
(出典:五味康祐『十二人の剣豪』)

・それを見て、家康が酌してやると、一献、二献、飲みほして、なお弁をふるった。
(出典:吉川英治『新書太閤記』)

・然しねえ、木屋町の一養軒あたりでさ、川のせせらぎをききながら、一献やりの、海老のコキールか何か食べながら。
(出典:古川緑波『色町洋食』)

・正月の節会では、一献目に吉野の国栖が歌笛を奏し、二献目では御酒勅使が酒を勧め、三献目に大歌所別当が歌人をひきいて立歌を奏する。
(出典:安部龍太郎『戦国秘譚 神々に告ぐ(上)』)

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類語

口取り肴(くちとりざかな)
意味:饗膳で吸い物とともに、最初に出す皿盛り物。かまぼこ・きんとんや魚・鳥・野菜の類を、甘みをきかせて調理したもの。(出典:デジタル大辞泉)

祝い膳(いわいぜん)
意味:めでたい席で祝意を込めてととのえる膳。(出典:和・洋・中・エスニック 世界の料理がわかる辞典)

懐石料理(かいせきりょうり)
意味:茶の湯で出す簡単な料理。(出典:精選版 日本国語大辞典)

美肴(びこう)
意味:美味な料理。うまい酒のさかな。(出典:精選版 日本国語大辞典)

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