一存
「私の一存では決められない」などのように使う「一存」という言葉。
「一存」は、音読みで「いちぞん」と読みます。
「一存」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「一存」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
一存の意味
「一存」には次の意味があります。
・自分一人だけの考え。(出典:デジタル大辞泉)
「存」には「考え」という意味があります。
「一存」で「自分ひとりの考え」という意味になります。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・だから、それはそれとして、私の一存であなたを連れて行くのです。
(出典:太宰治『帰去来』)
・妻は彼女の一存で、夫を精神病院に連れて行くことができなかった。
(出典:浅野誠『ビジネスマンの精神病棟』)
・あんたが社長をやめなければ、ぼくの一存で、今、この場で雑誌をつぶす。
(出典:坂口安吾『安吾巷談』)
・さすがに、自分の一存で取り計らったことが、気になっている風だった。
(出典:井上靖『崖(下)』)
・天皇のなかには、将軍の一存で暗殺されたり、追放されたものがある。
(出典:蜷川新『天皇』)
類語
・独断(どくだん)
意味:他人に相談すべきことを相談しないで、自分ひとりの考えで決めて行動すること。ひとりぎめ。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・所懐(しょかい)
意味:心に思っている事柄。思うところ。所感。(出典:デジタル大辞泉)
・恣意(しい)
意味:自分の思うままに振る舞う心。気ままな考え。(出典:デジタル大辞泉)
・鶴の一声(つるのひとこえ)
意味:多くの人の議論や意見をおさえつける、有力者・権威者の一言。(出典:デジタル大辞泉)
・胸三寸(むねさんずん)
意味:胸の中。また、その考え。(出典:精選版 日本国語大辞典)