メスを入れる
「業界の闇にメスを入れる」などのように使う「メスを入れる」という言葉。
「メスを入れる」は、「メスをいれる」と読みます。
「メスを入れる」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「メスを入れる」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介して、わかりやすく解説していきます。
メスを入れるの意味
「メスを入れる」には次の二つの意味があります。
1 メスを用いて切開する。医師が病根を取り除く場合などに行なう。
2 転じて、災いの根を除くために思い切った手段をとる。事態を徹底的に分析し批判する。(出典:精選版 日本国語大辞典)
それぞれの意味、使い方、類語については下記の通りです。
メスを入れるの意味①「メスを用いて切開する。医師が病根を取り除く場合などに行なう。」
「メスを入れる」の一つ目の意味は「メスを用いて切開する。医師が病根を取り除く場合などに行なう。」です。
言い換えると、医師の治療の一環で、メスを使って切開したり、病気の元となっているところを切除したりすることです。
この場合は、言葉通りの意味で使われます。
小説などでの具体的な使い方や類語は下記の通り。
使い方・例文
・痛みの根源となっている腫瘍にメスを入れた。
・その患者にメスを入れたのは、主治医の判断だ。
・メスを入れなければ、症状は悪化するばかりだ。
・メスを入れるなんて、怖くて私に耐えられるかしら。
類語
・手術(しゅじゅつ)
意味:治療の目的で人体にメスなどを用いて、患部を切断、切開して処置すること。オペ。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・切開(せっかい)
意味:切り開くこと。特に、治療のために医者が患部をメス、はさみなどで切り開くこと。(出典:デジタル大辞泉)
・施術(せじゅつ)
意味:医者が医療の術を行うこと。特に手術にいう。(出典:デジタル大辞泉)
・執刀(しっとう)
意味:外科手術や解剖などのためにメスを持つこと。手術や解剖を行うこと。(出典:デジタル大辞泉)
メスを入れるの意味②「転じて、災いの根を除くために思い切った手段をとる。事態を徹底的に分析し批判する。」
「メスを入れる」の二つ目の意味は「転じて、災いの根を除くために思い切った手段をとる。事態を徹底的に分析し批判する。」です。
①の意味から転じて、重大な事件や事態が発生している場合に、その原因を徹底的に調査し、分析するといった思い切った行動に出る、という意味です。
状況を悪くしているものごとが複雑でわからない場合や、意図的に隠されていることが疑われる場合などに用いられます。
小説などでの具体的な使い方や類語は下記の通り。
使い方・例文
・この問題にメスをいれて徹底的に原因を洗い出そう。
・組織体制にメスをいれて改善を図ったが、経営状態は依然回復していない。
・政治家と企業の癒着という政財界の闇にメスを入れた。
・ついにあの未解決事件に警察のメスが入った。
類語
・踏込む/踏み込む(ふみこむ)
意味:一段と深く物事の核心にせまる。(出典:デジタル大辞泉)
・抉り出す/刳り出す(えぐりだす)
意味:隠されている事実や真実を明らかにする。(出典:デジタル大辞泉)
・穿り出す(ほじくりだす)
意味:隠されているものを、あばきたてる。(出典:デジタル大辞泉)
・抉る(えぐる)
意味:物事の隠れた面を鋭く追及する。(出典:デジタル大辞泉)