フリーパス
「この試験はフリーパスだ」などのように使う「フリーパス」という言葉。
英語では「free pass」と表記します。
「フリーパス」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「フリーパス」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
フリーパスの意味
「フリーパス」には次の二つの意味があります。
1 無料で入場・乗車などができること。また、その切符。無料パス。
2 無試験合格や税関の無条件通過などができること。(出典:デジタル大辞泉)
それぞれの意味、使い方、類語については下記の通りです。
フリーパスの意味①「無料で入場・乗車などができること。また、その切符。無料パス。」
「フリーパス」の一つ目の意味は「無料で入場・乗車などができること。また、その切符。無料パス。」です。
この場合の「フリーパス」は「無料入場(券)」もしくは「無料乗車(券)」と言い換えることができます。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・せっかくのフリーパスなのだから、好きなものに好きなだけ乗ればいい。
(出典:中村恵里加『ソウル・アンダーテイカー』)
・一日フリーパスのチケットを買って、正面入り口で待っていると、蔦子さんと笙子ちゃん、志摩子さんと乃梨子ちゃんが合流した。
(出典:今野緒雪『マリア様がみてる 30 キラキラまわる』)
・家庭教師先から、成績が上がったご褒美として今夏有効のプールのフリーパス券をもらっていたのだが、その券を使って泳いだ最初の日、プールサイドのデッキチェアに座るこの母子に出会っていたのである。
(出典:鈴木光司『ループ』)
・浦上も今回、東京駅発の新幹線の指定券とか、四国島内フリーパス券とか、『ホテル松山』『ニュー宇和島ホテル』、そして高知、高松のホテルの予約とか、帰路の寝台特急〝瀬戸〟の予約など、すべてを『石田旅行社』に一任している。
(出典:津村秀介『松山着18時15分の死者』)
類語
・無賃乗車(むちんじょうしゃ)
意味:金銭を支払わずに電車などの乗り物に乗ること。(出典:デジタル大辞泉)
・フリーライド
意味:利益は享受するが、そのために必要な費用は出さないこと。学校給食は食べるが、給食費は払わない行為などについていう。(出典:デジタル大辞泉)
・無代(むだい)
意味:代価がいらないこと。無料。(出典:デジタル大辞泉)
・無料(むりょう)
意味:料金を要しないこと。ただ。(出典:精選版 日本国語大辞典)
フリーパスの意味②「無試験合格や税関の無条件通過などができること。」
「フリーパス」の二つ目の意味は「無試験合格や税関の無条件通過などができること。」です。
言い換えると、この場合の「フリーパス」は「本来必要な検査や試験などが行なわれずに、通過や合格ができてしまうこと」を意味します。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・入口のゲートに衛兵がいましたが、全くフリーパスで基地内に入ることができたのです。
(出典:吾妻博勝『新宿歌舞伎町 マフィアの棲む街』)
・空港の手荷物検査などは冷や冷やしたが幸い少年はまだ幼いと言ってもよい年齢なのでほとんどフリーパスでそこを通れた。
(出典:有沢まみず『いぬかみっ!8』)
・一応審査はあるんだが、事実上フリーパスでね。
(出典:佐島勤『魔法科高校の劣等生 1 入学編 <上>』)
・関税もかからず、危険物のチェックもされず、フリーパスでどこの国へでも持ちこめる。
(出典:田中芳樹『薬師寺涼子の怪奇事件簿5 黒蜘蛛島』)
類語
・笊(ざる)
意味:抜け落ちるところが多くて効果があがらないもののたとえ。(出典:デジタル大辞泉)
・穴(あな)
意味:不完全な所。欠点。弱点。(出典:デジタル大辞泉)
・無防備(むぼうび)
意味:危険や災害に対する備えのないこと。また、そのさま。(出典:デジタル大辞泉)
・顔パス(かおぱす)
意味:地位や権力などを利用して、無賃乗車や無料入場をすること。また、警戒厳重な会議場などで、警備係と顔なじみになり身分証を提示せずに入場すること。(出典:デジタル大辞泉)