ドミナント
「ドミナント戦略」などのように使う「ドミナント」という言葉。
英語では「dominant」と表記します。
「ドミナント」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「ドミナント」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
ドミナントの意味
「ドミナント」には次の二つの意味があります。
1 支配的であること。優勢であること。
2 属音。(出典:デジタル大辞泉)
それぞれの意味、使い方、類語については下記の通りです。
ドミナントの意味①「支配的であること。優勢であること。」
「ドミナント」の一つ目の意味は「支配的であること。優勢であること。」です。
「ドミナント」は、「支配し服従させる」という意味があります。
ラテン語語源の「dominor:主」から派生した言葉だと言われています。
某アニメで有名な「ドミネーター(dominator):支配者」なども仲間の言葉です。
具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・日本ジャーナリズムのドミナント・フィギュアを心に浮べて、ルースの持つような性格分裂、ジャーナリストとしての危険に多少ともさらされていない何人を挙げることが出来るだろう。
(出典:宮本百合子『微妙な人間的交錯』)
・ドミナント戦略とは、独占権を獲得すべく、特定地域に的を絞って経営効率を高める戦略の事です。
・ドミナント規制とは、独占的影響力を持つ通信事業者に課せられる規制の事だ。
類語
・独占(どくせん)
意味:特定の資本が他の競争者を排除し、生産と市場を支配している状態。(出典:デジタル大辞泉)
・優勢(ゆうせい)
意味:勢い・形勢などが他よりすぐれていること。(出典:デジタル大辞泉)
・支配的(しはいてき)
意味:支配しているさま。上に立って全体をおさめているさま。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・席巻(せっけん)
意味:むしろを巻くように領土を片端から攻め取ること。(出典:デジタル大辞泉)
ドミナントの意味②「属音」
「ドミナント」の二つ目の意味は「属音」です。
ここでの「ドミナント」は、音楽用語で「メインの音に次いで重要とされる音」という意味です。
主音の5度上の音を指します。
例えば、イ長調・イ短調であれば、ホ(ミ)音がドミナント音ということになります。
具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・つまり、だいたい第三版では以前の第一曲と第二曲が入れ替っているので、現行の第三版ではイ長調のドミナントのホ長調の《フィデリオ》序曲でないと困るわけです。
(出典:柴田南雄『クラシック名曲案内ベスト151』)
・それからこの曲はニ短調ですが、そのドミナントのイ長調の和音が曲の中で響くことはほとんどありません。
(出典:柴田南雄『クラシック名曲案内ベスト151』)
・彼の歌は、新旧を問わず、ほぼそうしたドミナントなトーンに貫かれている。
(出典:浜野サトル『新都市音楽ノート』)
・必要な所でトニックとドミナントを強めればいいんですから。
(出典:柴田南雄『クラシック名曲案内ベスト151』)
類語
・属音(ぞくおん)
意味:ある調の第五度の音。主音とともに調を支配し、旋法を特徴づける。また、主音の五度上の音。ドミナント。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・下属音(かぞくおん)
意味:西洋音階で主音から数えて下五度の音。属音から数えて一つ下の音であるところからいう。サブ‐ドミナント。(出典:精選版 日本国語大辞典)