クエン酸
「クエン酸で水垢を落とす」などのように使う「クエン酸」という言葉。
「クエン酸」は、「酸」を音読みで「くえんさん」と読みます。
「クエン酸」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「クエン酸」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
クエン酸の意味
「クエン酸」には次の意味があります。
・ヒドロキシ基をもつ多塩基カルボン酸の一種で、多くの植物の種子や果汁中に遊離の酸として含まれる。クエン(枸櫞)というのはシトロンの漢名で、シトロンをはじめ、レモンや未熟なダイダイなど柑橘(かんきつ)類の果実にとくに多く含まれているところからクエン酸とよばれる。(出典:日本大百科全書(ニッポニカ))
天然の成分であることから、ナチュラルクリーニングとして、掃除や水回りのものの手入れに使われることが多くなっています。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・しかもクエン酸が体内にありますと、疲労物質と言われる乳酸ができないので、ブドウ糖は一〇倍もの効力を発揮します。
(出典:平野雅章『熱いが御馳走 食物ことわざ事典II』)
・梅干しのクエン酸は、ブドウ糖とともに、わたくしたちの生活に欠かせぬエネルギー源。
(出典:平野雅章『熱いが御馳走 食物ことわざ事典II』)
・彼はまず貧血患者に少量のクエン酸鉄を皮下注射して、赤血球数およびヘモグロビンに良い効果のあることを認めた。
(出典:水上茂樹『栄養学小史』)
・輸血でありはするが、クエン酸処理のことも何もまだわかつていなかつた時代の直接の感覚で捕えたことであり、「注射」といふこともずつと原始的な観念で犀星はとらえていたろうと思う。
(出典:中野重治『室生犀星』)
・何年も不明確な状態が続いたが、真の純粋なクエン酸は抗壊血病効果を持たないことがついに合意された。
(出典:水上茂樹『栄養学小史』)
類語
・酢酸(さくさん)
意味:食用酢の中に3~5%含まれており、食用酢の酸味は酢酸によっている。(出典:日本大百科全書(ニッポニカ))
・ホウ酸(ほうさん)
意味:ホウ酸というときは、通常オルトホウ酸B(OH)3をさすが、その他メタホウ酸HBO2、通称で次ホウ酸B2(OH)4などのように各種のポリホウ酸などを含めて、ホウ酸ということがある。(出典:日本大百科全書(ニッポニカ))
・酸(さん)
意味:化学的性質に従って物質を分類するとき、相反する性質をもつ塩基とともに対照的に、そして相補的に定義される物質。(出典:日本大百科全書(ニッポニカ))
・炭酸(たんさん)
意味:二酸化炭素が水に溶けて生じる酸。化学式H2CO3、式量62.03。水溶液としてだけ知られている。(出典:日本大百科全書(ニッポニカ))
・硫酸(りゅうさん)
意味:化学式H2SO4、式量98.1。組成H2SO4の純物質あるいはその水溶液をいうが、普通は水溶液をさすことが多い。工業上もっとも重要な強酸の一つ。(出典:日本大百科全書(ニッポニカ))