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アラベスクとは?意味、類語、使い方・例文をわかりやすく解説

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アラベスク

「アラベスクで装飾された建築物」などのように使う「アラベスク」という言葉。

「アラベスク」は、フランス語で「arabesque」と表記します。

「アラベスク」とは、どのような意味の言葉でしょうか?

この記事では「アラベスク」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。

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アラベスクの意味

「アラベスク」には次の三つの意味があります。

1 イスラム美術などに見られる葉、花、鳥獣、人物などを様式化して展開させた文様。
2 ①の影響による幻想的、装飾的な器楽曲。
3 バレエの基本姿勢の一つ。
(出典:精選版 日本国語大辞典)

それぞれの意味、使い方、類語については下記の通りです。

アラベスクの意味①「イスラム美術などに見られる葉、花、鳥獣、人物などを様式化して展開させた文様。」

「アラベスク」の一つ目の意味は「イスラム美術などに見られる葉、花、鳥獣、人物などを様式化して展開させた文様。」です。

「arabesque」とは、もともとは「アラビア風の」という言葉です。
そこから美術用語として、イスラム美術にみられる曲線的な装飾文様を表すようになりました。
つる草のような優美な植物が絡み合った唐草模様をさすことが多いですが、広義には、複雑に連続する幾何学図形、文様化されたアラビア文字をも含む場合もあります。

小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。

使い方・例文

・調和と深い色合が、変化しながら壮大なアラベスクを描いていく。
(出典:篠田節子『ハルモニア』)

・その向こうにあったのはもうひとつの扉、イスラム風のアラベスクを編んだレエスのように繊細な鉄格子の扉と、中庭だった。
(出典:篠田真由美『未明の家 建築探偵桜井京介の事件簿』)

・広いヴェランダが四方をぐるりととりまいていて、ムーア式のアーチ、細い柱、それにアラベスクふうの装飾は、人の心を、夢の中のように、スペインに君臨する東洋的なロマンスの時代へと連れもどすのであった
(出典:ストウ/山屋三郎,大久保博訳『アンクル・トムズ・ケビン(上)』)

類語

唐草(からくさ)
意味:つる草のつるや葉のからみ合ってのびている様子を図案化した模様。古く、エジプトやメソポタミアに始まり、日本には中国を経て伝わったもの。唐草模様。唐草文(からくさもん)。(出典:精選版 日本国語大辞典)

グロテスク(grotesque)
意味:人物、動物、花、果物などを含むアラベスク文様の一名称。イタリア・ルネサンス期にネロの黄金宮殿が発掘され、そのグロッタに人物や動物の足が植物と化した唐草文や、怪鳥が飛びかうなかに草花を散りばめた奇抜な壁面装飾を施したものが発見された。このため、この種の文様を「グロッタの文様」の意味でグロテスキと呼んだ。グロテスクはその英語・フランス語読み。(出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典)

幾何学模様(きかがくもよう)
意味:直線あるいは曲線を基本に構成した抽象的な連続模様。(出典:精選版 日本国語大辞典)

アラベスクの意味②「①の影響による幻想的、装飾的な器楽曲。」

「アラベスク」の二つ目の意味は「①の影響による幻想的、装飾的な器楽曲。」です。

①の美術用語から発展して、音楽用語としては「装飾的」「技巧的」で「アラビア風の模様」を思わせるような旋律という意味合いで使われます。
細やかな動きによって絶え間なく動くモチーフが使われるのが特徴です。
曲のタイトルにもなっており、ロベルト・シューマンとクロード・ドビュッシーによるピアノ曲が有名です。
また、ヨハン・ブルグミュラーがピアノの練習曲として作った「25の練習曲」の中でも、2番に登場し、今日でもピアノを習う人にとってはなじみの曲となっています。

小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。

使い方・例文

・独唱者が歌う傍らでピアノが長いアラベスク風の音を奏でていた。

アラベスクを弾く練習をした。

・とても印象的なアラベスクの曲。

類語

アリア(aria)
意味:歌謡的、叙情的な器楽曲。(出典:デジタル大辞泉)

ラプソディー(rhapsody)
意味:「狂詩曲」と訳される。幻想曲風で自由な形式の19世紀の器楽曲。(出典:日本大百科全書(ニッポニカ))

ノクターン(nocturne)
意味:主としてピアノのための、夜の情緒を表す叙情的な楽曲。ショパンの作品がよく知られる。夜想曲。(出典:デジタル大辞泉)

アラベスクの意味③「バレエの基本姿勢の一つ。」

「アラベスク」の三つ目の意味は「バレエの基本姿勢の一つ。」です。

バレエで、片足で立ち、体を前に倒し、胸を張り、片手は前に、他の手足を後ろに伸ばす姿勢のことを言います。
バレエにおいてもっとも美しい形とされています。

小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。

使い方・例文

アラベスクの姿勢をとる波多野の身体はよくしなった。
(出典:姫野カオルコ『蕎麦屋の恋』)

・「さて、遊びは終わりよ」 真っ直ぐに伸びた片脚を白鳥の翼のようにふわりと空に浮かべて涼子がアラベスクのポーズでフィニッシュした。
(出典:池上永一『シャングリ・ラ 下』)

・ミルドレッドは、イーニッドの肩につかまって、片方の足をうしろにあげて、ものすごくぐらぐらするアラベスクをやりました。
(出典:マーフィ『(ミルドレッドの魔女学校シリーズ2)魔女学校の転校生』)

類語

アティテュード(attitude)
意味:クラシック・ダンスにおいて、片足で立ち、もう一方の片足を膝(ひざ)のところで曲げ上げたポーズをいう。通常、上げた足の側の手も上げる。アラベスクの変形ともいえるが、アラベスクは後ろに足を上げるのに対し,アティチュードは後ろだけでなく、前、または横に上げることもある。(出典:百科事典マイペディア)

ピルエット(pirouette)
意味:片足のつま先で立って行うバレエの旋回。(出典:デジタル大辞泉)

ジュテ(jeté)
意味:バレエで、片足を前や横に投げ出し、その方向に軽く飛ぶこと。軸足で踏み切り、投げ出した足で着地する。(出典:デジタル大辞泉)

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