アウトサイダー
「あの人はアウトサイダーだ」などのように使う「アウトサイダー」という言葉。
英語では「outsider」と表記します。
「アウトサイダー」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「アウトサイダー」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
アウトサイダーの意味
「アウトサイダー」には次の二つの意味があります。
1 集団・組織の外部の人。部外者。
2 社会常識の枠にはまらない独自の思想の持ち主。(出典:デジタル大辞泉)
それぞれの意味、使い方、類語については下記の通りです。
アウトサイダーの意味①「集団・組織の外部の人。部外者。」
「アウトサイダー」の一つ目の意味は「集団・組織の外部の人。部外者。」です。
逆に、集団・組織の内部にいる人を「インサイダー」と言います。
しかし、同じ集団・組織内であっても、そこに馴染まないあるいは馴染めない人を「アウトサイダー」と呼ぶ場合もあります。
具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・少し無理な表現かもしれないが、今流の言葉を借用すれば、女性は完全なアウトサイダーであった。(出典:石垣りん『ユーモアの鎖国』)
・榎木津も、京極堂も、私も、当時の学生社会の中ではアウトサイダーだった。
(出典:京極夏彦『姑獲鳥の夏』)
・フォワード中心の明大ラグビーのなかでは、彼は明らかにアウトサイダーだった。
(出典:山際淳司『エンドレス・サマー』)
・日本では一匹狼とはアウトサイダーで、飢え死にと背中合せに生きる存在なのです。
(出典:李御寧『「縮み」志向の日本人』)
類語
・局外者(きょくがいしゃ)
意味:その事柄に関係のない立場の人。第三者。(出典:デジタル大辞泉)
・一匹狼(いっぴきおおかみ)
意味:組織の力に頼らないで、自分の力だけで行動する人。(出典:デジタル大辞泉)
・風来坊(ふうらいぼう)
意味:どこからともなくやって来る人。また、身元が知れず、一つ所にとどまらない人。
(出典:デジタル大辞泉)
・村八分(むらはちぶ)
意味:仲間はずれにすること。(出典:デジタル大辞泉)
アウトサイダーの意味②「社会常識の枠にはまらない独自の思想の持ち主。」
「アウトサイダー」の二つ目の意味は「社会常識の枠にはまらない独自の思想の持ち主。」です。
この場合、ある人の考え方、ものの見方が、ある集団・組織の枠に留まらず、社会常識というより広い枠にも収まらないほどの特異性を備えている、ということを強調しています。
具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・アウトサイダーは、どんな世界においても、その世界を活性化させる。
(出典:山際淳司『ナックルボールを風に』)
・彼らが本当にアウトサイダーならば、なにも芸術家やジャーナリストなどをポーズする必要はまったくない。
(出典:森村誠一『人間の証明』)
・チャーリーが、アウトサイダーだったというのは、決して単なる形容ではない。
(出典:小林信彦『世界の喜劇人』)
・私のアウトサイダーの定義はと問われれば、それは「幻を見る人」という漠然とした一語を用意しているだけである。
(出典:河上徹太郎『日本のアウトサイダー』)
類語
・トリックスター
意味:民話や神話などに登場するいたずら者。秩序の破壊者でありながら創造者としての役割もになう。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・パイオニア
意味:他に先駆けて物事を始める人。先駆者。開拓者。(出典:デジタル大辞泉)
・アブノーマル
意味:異常なさま。病的。(出典:デジタル大辞泉)
・異端(いたん)
意味:先例に従わないこと。新例を開くこと。(出典:精選版 日本国語大辞典)