やるせない
「やるせない気持ち」などのように使う「やるせない」という言葉。
「やるせない」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「やるせない」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
やるせないの意味
「やるせない」には次の意味があります。
・思いを晴らすすべがない。せつない。(出典:デジタル大辞泉)
「やるせない」を分かりやすくいうと「悲しみなどの思いを紛らわそうとしても、どうすればいいのか分からない」という意味になります。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・自分だけ一人とりのこされたように、やるせない孤独を感じたのである。
(出典:坂口安吾『吝嗇神の宿』)
・ここ最近彼の胸には一種特別なやるせない気分がきざして来ていた。
(出典:ドストエフスキー/北垣信行訳『罪と罰(下)』)
・そんな少女に向かって少年はやるせなさそうな視線を向け、苦笑する。
(出典:西尾維新『零崎双識の人間試験(全話)』)
・もう一人の余り者も同じ卑屈な手の挙げ方をしていて、やるせなかった。
(出典:綿矢りさ『蹴りたい背中』)
・その手紙は、やるせない妻のところにもどってきてくれという依頼状さ。
(出典:ディケンズ/北川悌二訳『ピクウィック・クラブ(上)』)
類語
・気鬱(きうつ)
意味:気分がはればれしないこと。気がふさぐこと。また、そのさま。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・うっとうしい
意味:心がふさいで晴れ晴れしない。気分が重苦しい。(出典:デジタル大辞泉 )
・鬱鬱(うつうつ)
意味:気がめいってはればれしないさま。心配して心を悩ますさま。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・暗晦(あんかい)
意味:暗いこと。また、そのさま。(出典:デジタル大辞泉)
・重苦しい(おもくるしい)
意味:押さえつけられるようで、息苦しい。気分が晴れ晴れしない。(出典:デジタル大辞泉)