ぽっと出
「ぽっと出の学生」などのように使う「ぽっと出」という言葉。
「ぽっと出」は、訓読みで「ぽっとで」と読みます。
「ぽっと出」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「ぽっと出」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
ぽっと出の意味
「ぽっと出」には次の意味があります。
・田舎から初めて都会へ出て来たこと。また、その人。(出典:デジタル大辞泉)
「突然現れて出てきたもの」というイメージのある言葉ですが、「ぽっと」が田舎を指す言葉ということもあり、本来の意味は「田舎から出てきたこと・人」です。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・日本でもぽっと出の歌手が、一年もすると見違えるほどきれいになる例はいくらでも見られる。
(出典:森瑤子『終りの美学』)
・田舎からポット出の学生なぞは、あべこべに赤面させられそうである。
(出典:夢野久作『東京人の堕落時代』)
・それ以後の彼女には、ぽっと出の新人の挿絵を担当するほかはなかったことになる。
(出典:鮎川哲也『朱の絶筆』)
・圧倒されんばかりの人群れで、とくにぽっと出の田舎者には、そう思われたであろう。
(出典:アレクサンドル・デュマ/江口清訳『三銃士(上)』)
・どれもこれも眉つばもののことばかりだったのですが、こちらはぽっと出の世間知らずのお馬鹿さん、心からわたくしのためを思って言ってくれたものとばかり受け取りました。
(出典:クレランド/江藤潔訳『ファーニィ・ヒル』)
類語
・山出し(やまだし)
意味:田舎の出身であること。田舎から出てきたままで洗練されていないようす。(出典:デジタル大辞泉)
・田舎者(いなかもの)
意味:田舎の人。田舎育ちの人。田舎から出てきた人。いなかびと。いなかうど。田夫。いなかもん。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・赤ゲット(あかげっと)
意味:田舎から都会に出て来た人をさげすんでいう語。田舎者。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・御上りさん(おのぼりさん)
意味:田舎から見物などのため都会に出てきた人を、からかっていう語。(出典:デジタル大辞泉)
・野人(やじん)
意味:田野にある人。いなかびと。また、粗野な人。(出典:精選版 日本国語大辞典)