ぶり返す
「風邪をぶり返す」などのように使う「ぶり返す」という言葉。
「ぶり返す」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「ぶり返す」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
ぶり返すの意味
「ぶり返す」には次の意味があります。
・一度よくなりかけていた病気・季候・事柄などが再びもとの悪い状態になる。(出典:デジタル大辞泉)
ぶり返すのぶりは「物事の状態や様子、あり方」をあらわす「振り」に由来するという説が有力で、返すには「もとに戻す」という意味があります。
この2つの言葉を組み合わせて、一度収まったはずの軽度の病気や季節の寒暖などの状態などが悪い意味で元に戻ることを意味するようになりました。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・薬でいったんはよくなるのだが、夜になるとまたぶり返すという状態だった。
(出典:東野圭吾『探偵ガリレオ』)
・また残暑がぶり返していたが、日が傾くとジャケットに袖を通したくなる。
(出典:三上延『ビブリア古書堂の事件手帖 1 〜栞子さんと奇妙な客人たち〜』)
・三浦刑事の顔が消えると、緊張が崩れて、急に、痛みがぶり返した。
(出典:西村京太郎『愛と悲しみの墓標』)
・また襲われるのではという不安がぶり返したみたいだった。
(出典:三上於菟吉『グローリア・スコット号』)
・それよりも大きなことは、父さんの病気が戦争の苦労でぶり返していたことだ。
(出典:林真理子『初夜』)
類語
・再発(さいはつ)
意味:おさまっていた病気がもう一度起こること。(出典:デジタル大辞泉)
・再燃(さいねん)
意味:衰えていた物事や感情が、もう一度盛んになること。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・蒸し返す(むしかえす)
意味:一度解決した事柄を再度問題にする。(出典:デジタル大辞泉)
・再来(さいらい)
意味:過去にあったのと同じ事柄・状態がまた起こること。(出典:デジタル大辞泉)
・続出(ぞくしゅつ)
意味:同じようなことが次々と続いて出たり起こったりすること。(出典:デジタル大辞泉)