ことごとく
「ことごとく拒否する」などのように使う「ことごとく」という言葉。
「ことごとく」は、漢字で「悉く」や「尽く」と書きます。
「ことごとく」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「ことごとく」の意味や使い方について、小説などの用例を紹介して、わかりやすく解説していきます。
ことごとくの意味
「ことごとく」には次の意味があります。
・問題にしているもの全部。残らず。すべて。みな。(出典:デジタル大辞泉)
「ことごとく○○」などのように使います。
「ことごとく拒否する」で「残らず全て拒否する」という意味になります。
小説などでの具体的な使い方・例文は下記の通り。
使い方・例文
・これまで醜く見えていたすべてのものが、今はことごとく美しく見えた。
(出典:ホーソーン・ナサニエル『世界怪談名作集』)
・一口にいうと教育を受けるものがことごとく偽善家であった。
(出典:夏目漱石『三四郎』)
・四人はことごとく寝足らない顔をしていた。
(出典:夏目漱石『行人』)
・この本を読む人はことごとく同じ感覚を持つだろうと思います。
(出典:内村鑑三『後世への最大遺物』)
・公民はことごとく地主であり、農民であることとなったのです。
(出典:喜田貞吉『融和問題に関する歴史的考察』)
・自活自営の立場に立って見渡した世の中はことごとく敵である。
(出典:夏目漱石『思い出す事など』)
・これらの時代もこれらの人々もことごとく正しいのであります。
(出典:夏目漱石『文芸の哲学的基礎』)
・そうして同時に日本魂もことごとく消滅してしまうであろう。
(出典:寺田寅彦『チューインガム』)