お人好し
「お人好しな性格」などのように使う「お人好し」という言葉。
「お人好し」は、訓読みで「おひとよし」と読みます。
「お人好し」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「お人好し」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
お人好しの意味
「お人好し」には次の意味があります。
・何事も善意にとらえる傾向があり、他人に利用されたりだまされたりしやすいこと。また、そのさまや、そういう人物。(出典:デジタル大辞泉)
本来は、人に好かれるような気の良さを持つことを意味しますが、おだてられたり人に好かれようとするあまり頼み事を断れないことで利用されたり騙されたりと、損をしてしまう性格である際に用いられます。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・人は彼が聾であって無類のお人好であることすら忘れてしまうのである。(出典:梶井基次郎『温泉』)
・だが、中には、自分の年を満でいわずに数えでいうお人よしの女もいる。
(出典:川上宗薫『感度の問題』)
・まさか三人の秘密を胸にしまっておいてくれるほどお人よしでもないだろう。
(出典:奥田英朗『最悪』)
・パリ人ってものがどんなにお人好しか、あなたには想像もつきますまい。
(出典:カザノヴァ/田辺貞之助訳『カザノヴァ回想録 第二巻』)
・妻や娘からもお人好しだと言われ今以上に馬鹿にされるであろう。
(出典:筒井康隆『大いなる助走』)
類語
・人が好い(ひとがいい)
意味:心や気立てがよい。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・善人(ぜんにん)
意味:お人よし。だまされやすい人。(出典:デジタル大辞泉)
・人格者(じんかくしゃ)
意味:すぐれた人格の持ち主。(出典:デジタル大辞泉)
・真人間(まにんげん)
意味:まじめで正しい生き方をしている人間。まともな人。(出典:デジタル大辞泉)
・馬鹿正直(ばかしょうじき)
意味:正直すぎて融通がきかないこと。また、その人や、そのさま。(出典:デジタル大辞泉)