お世辞
「お世辞が上手い」などのように使う「お世辞」という言葉。
「お世辞」は、音読みで「おせじ」と読みます。
「御世辞」と書く場合もあります。
「お世辞」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「お世辞」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
お世辞の意味
「お世辞」には次の意味があります。
・口先だけの褒め言葉。あいそのよい言葉やしぐさ。御追従。(出典:精選版 日本国語大辞典)
「お」は接頭語です。
心に思っていないような褒め言葉で、相手に気に入ってもらったり喜ばせるためにお世辞を言います。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・清がこんな事を云う度におれはお世辞は嫌いだと答えるのが常であった。
(出典:夏目漱石『坊っちゃん』)
・他人からお世辞を聞くことは簡単だけれど、非難の言葉は貴重なのです。
(出典:酒井順子『たのしい・わるくち』)
・しかし、お世辞ではなく、君の言うことが我々には一番よく納得できた。
(出典:半村良『魔女街』)
・確かに気の若いところは多分にあったが、どうも我ながらお世辞くさい。
(出典:福永武彦『第一随筆集 別れの歌』)
・一般に医師はお世辞のいいものだが、この人は世間話もできないのだ。
(出典:坂口安吾『吹雪物語』)
類語
・歯向(はむき)
意味:権勢のある者などに気に入られるようにふるまうこと。へつらうこと。おせじをいうこと。(出典:デジタル大辞泉)
・外交辞令(がいこうじれい)
意味:相手に好感を抱かせるように、表面を繕っていう言葉。おせじ。(出典:デジタル大辞泉)
・空世辞(からせじ)
意味:誠意のない、口先だけの世辞。そらせじ。(出典:デジタル大辞泉)
・胡麻を擂る(ごまをする)
意味:他人にへつらって自分の利益を図る。(出典:デジタル大辞泉)
・おべっか
意味:相手の機嫌をとろうとして、へつらったり、心にもないお世辞を言うこと。また、その言葉。おべんちゃら。(出典:デジタル大辞泉)