いたたまれない
「どうにもいたたまれない」などのように使う「いたたまれない」という言葉。
「いたたまれない」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「いたたまれない」の意味や使い方について、小説などの用例を紹介して、わかりやすく解説していきます。
いたたまれないの意味
「いたたまれない」には次の意味があります。
・それ以上じっとしていられない。これ以上がまんできない。(出典:精選版 日本国語大辞典)
「居堪らない(いたまらない)」のことで、そこにいることに耐えられない、の言い方が変形したものです。
小説などでの具体的な使い方・例文は下記の通り。
使い方・例文
・いたたまれない気持ちになり、ついに映画館を飛び出してしまったのだ。
(出典:大槻ケンヂ『グミ・チョコレート・パイン チョコ編』)
・一時間ほどして私はいたたまれなくなり、鄭重に礼をいって席をたった。
(出典:開高健『ロマネ・コンティ・一九三五年 六つの短篇小説』)
・その目的があの立場にいたたまれないようにすることなのはたしかだ。
(出典:エクトール・マロ『家なき娘〔下〕』)
・心配の場において私がいたたまれない理由はそれだけではありません。
(出典:酒井順子『たのしい・わるくち』)
・彼らの足の裏は焼きつくような甲板の熱にいたたまれなかったからである。
(出典:ヴェルヌ/村上啓夫訳『海底二万リーグ(上)』)
・こんな具合に人をいたたまれなくさせるのが〈なまもの〉的存在である。
(出典:松浦理英子『優しい去勢のために』)
・異常に思われただろうと考えるだけで、いたたまれなくなってくる。
(出典:山藍紫姫子『THE DARK BLUE』)
・自分のせいで大人たちが喧嘩を始めたので、少女はいたたまれない表情になる。
(出典:野沢尚『龍時(リュウジ)2―3』)