いじらしい
「涙を見せまいとする姿がいじらしい」などのように使う「いじらしい」という言葉。
「いじらしい」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「いじらしい」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介して、わかりやすく解説していきます。
いじらしいの意味
「いじらしい」には次の意味があります。
・幼い子供や弱い者などの振る舞いが、何ともあわれで同情したくなる感じである。けなげでかわいそうなさま。また、可憐(かれん)なさま。(出典:デジタル大辞泉)
「いじらしい」には「可憐で痛々しい」といった意味合いがあります。
子供の様子について用いられることが多い言葉です。
小説などでの具体的な使い方や類語は下記の通り。
使い方・例文
・少年のそういう姿が何とも云えない程いじらしいものに思えた。
(出典:金史良『光の中に』)
・君は僕の愛情以外は何も求めてこないいじらしい女だった。
(出典:内田春菊『ぬけぬけと男でいよう』)
・私はなんともいえぬいじらしさに胸がしめつけられるような感じであった。
(出典:横溝正史『金田一耕助全集 [金田一耕助ファイル1] 横溝正史 「八つ墓村」』)
・なんという、いじらしいことかと、彼女は少女心にも深く感じたのでありました。
(出典:小川末明『谷にうたう女』)
・しかし今その子供の乞食が頸を少しそらせたまま、目を輝かせているのを見ると、ちょいといじらしい心もちがした。
(出典:芥川龍之介『保吉の手帳から』)
類語
・しおらしい
意味:けなげである。可憐である。(出典:デジタル大辞泉)
・殊勝(しゅしょう)
意味:心がけや行動が感心なさま。けなげであるさま。(出典:デジタル大辞泉)
・健気(けなげ)
意味:殊勝なさま。心がけがよくしっかりしているさま。特に、年少者や力の弱い者が困難なことに立ち向かっていくさま。(出典:デジタル大辞泉)
・愛らしい(あいらしい)
意味:愛すべきようすである。かわいらしさ・可憐さ・いとおしさが感じられるようすである。(出典:デジタル大辞泉)
・可憐(かれん)
意味:姿・形がかわいらしく、守ってやりたくなるような気持ちを起こさせること。(出典:デジタル大辞泉)