あざとい
「あざとい仕草」などのように使う「あざとい」という言葉。
「あざとい」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「あざとい」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
あざといの意味
「あざとい」には次の二つの意味があります。
1やり方があくどい。ずうずうしく抜け目がない。
2小利口である。思慮が浅い。あさはかだ。(出典:デジタル大辞泉)
それぞれの意味、使い方、類語については下記の通りです。
あざといの意味①「やり方があくどい。ずうずうしく抜け目がない。」
「あざとい」の一つ目の意味は「やり方があくどい。ずうずうしく抜け目がない。」です。
わかりやすく言えば「押しが強く、人に不快感を与えるほどにいやらしい」という意味です。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・手段を選ばず話を聞き出そうと、あざとい色仕掛を利用した自覚があった。
(出典:五百香ノエル『天秤座号殺人事件』)
・教本にでも書いておきたいような、あざとい足の引っぱり方だな。
(出典:荻原規子『西の善き魔女5 闇の左手』)
・自ら藩王に申し出てその地位をえたあたりの伯爵の立ちまわりようが、いささかあざといものに感じられるのだ。
(出典:田中芳樹『タイタニア2 暴風編』)
・だがそうなると、相手はあざとく引き分けを狙ってくるものである。
(出典:誉田哲也『武士道セブンティーン』)
・ 殺人犯が、たとえ別の事件とはいえ、他人のことを密告するとはあざとい。
(出典:南里征典『田園調布真紅夫人』)
・彼のあざとい計画は、着実に実を結びつつあった。
(出典:吉野匠『レイン2 招かれざる帰還』)
・女装の男性、という設定のあざとさは、甲村がその賛否両論をはじめから計算してのことで、モデルなどの手配には志摩もかなり協力していたようだった。
(出典:藤堂志津子『ジョーカー』)
類語
・狡猾(こうかつ)
意味:ずるく悪賢いこと。(出典:デジタル大辞泉)
・卑しい(いやしい)
意味:品位に欠けている。下品だ。(出典:デジタル大辞泉)
・抜け目がない(ぬけめがない)
意味:よく気がついて、手抜かりなく、ずるがしこく立ち回るさま。(出典:大辞林 第三版)
・狡知(こうち)
意味:ずる賢い知恵。悪知恵。奸知(かんち)。(出典:デジタル大辞泉)
あざといの意味②「小利口である。思慮が浅い。あさはかだ。」
「あざとい」の二つ目の意味は「小利口である。思慮が浅い。あさはかだ。」です。
「あざとい考え」などの場合はこの意味です。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・この歌はメロディラインが明確すぎてなんだかあざとい気がした。
(出典:田口ランディ『ハーモニーの幸せ』)
・あざとい場面ばかりで構成しているこのドラマは、現在視聴率のトップを独走している。
(出典:林真理子『ロストワールド』)
・作意が見え見えのあざとい行為であったが、良介はすでに闘やる気になっていた。
(出典:菊地秀行『幽剣抄』)
・まるで親を驚かせるために少女がやる、中途半端なリストカットみたいなものだった。それの逆バージョンを親にやられるとは思わなかった晴美は、父のあざとい芝居に腹が立った。
(出典:吉村達也『ついてくる』)
・親しさの極致でありながら、戦いの場でもある。 美しいものの背後からふっとあざとい風景がのぞくときがある。
(出典:阿刀田高『花の図鑑(上)』)
・無理してその人の趣味に合わせても、そういうあざとい誘いは案外簡単に見抜かれるものだ。
(出典:山本文緒『結婚願望』)
類語
・駆け引き(かけひき)
意味:交渉・談判や試合などで、相手の出方や状況に応じて、自分に有利なように事を運ぶこと。(出典:大辞林 第三版)
・賢い(かしこい)
意味:要領がよい。(出典:大辞林 第三版)
・保身(ほしん)
意味:自分の身体や地位・身分などを守ること。(出典:大辞林 第三版)
・ぶりっこ
意味:いい子ぶる、かわいい子ぶるなど、それらしい振りをする女の子。(出典:デジタル大辞泉)