痴人
「痴人のような顔つき」などのように使う「痴人」という言葉。
「痴人」は、音読みで「ちじん」と読みます。
「痴人」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「痴人」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介して、わかりやすく解説していきます。
痴人の意味
「痴人」には次の意味があります。
・おろかな人。ばかもの。たわけもの。うつけもの。愚人。ちにん。(出典:精選版 日本国語大辞典)
「痴人にような顔つき」は「おろかな人のような顔つき」という意味です。
小説などでの具体的な使い方や類語は下記の通り。
使い方・例文
・ハノーヴァー氏はしばらくの聞、痴人のように鏡を眺めておいででした。
(出典:酒見賢一『語り手の事情』)
・痴人夢を説く、されど夢を見て自ら悟るは必ずしも痴人にあらざる可し。
(出典:関寛『命の鍛錬』)
・お滝さんも痴人のような無表情な顔で女の子を指図し、料理を並べさせていた。
(出典:鮎川哲也『朱の絶筆』)
・少くともその可能性を信ずることは痴人の談とばかりも云はれぬであらう。
(出典:芥川竜之介『僻見』)
・美しいものをしんから愛するものは、或る場合痴人のように寛大だ。
(出典:宮本百合子『小景』)
類語
・愚者(ぐしゃ)
意味:愚かな人。ばかもの。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・愚人(ぐじん)
意味:愚かな人。愚者。ぐにん。(出典:デジタル大辞泉)
・愚物(ぐぶつ)
意味:おろかもの。ばかもの。愚者。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・愚か者(おろかもの)
意味:おろかな人間。愚者。(出典:デジタル大辞泉)
・痴れ者(しれもの)
意味:愚かな者。ばか者。(出典:デジタル大辞泉)