爾後
「爾後の問題」などのように使う「爾後」という言葉。
「爾後」は、音読みで「じご」と読みます。
「爾後」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「爾後」の意味や使い方について、小説などの用例を紹介して、わかりやすく解説していきます。
爾後の意味
「爾後」には次の意味があります。
・ある事があってからのち。そののち。それ以来。以後。(出典:デジタル大辞泉)
同じ読み方で「事後」という字がありますが、「事後」はある物事が終わった「直後」を指し、「爾後」は物事が終わってからの「それから」を指します。
混同しやすいですが、意味合いが多少異なります。
小説などでの具体的な使い方・例文は下記の通り。
使い方・例文
・爾後この絵は、あの窮屈な階段の上に掲げられてそこを動いたことがない。
(出典:堀田善衞『スペインの沈黙』)
・彼の爾後の作家生涯は、その善を探求すべき労作だったと称しても好い。
(出典:芥川竜之介『「菊池寛全集」の序』)
・それに、情勢は必ず急変しますから、爾後の問題も自然に解決しましょう。
(出典:伊藤桂一『遥かなインパール』)
・奇襲は成功しても、肝心の空母を失っては、爾後の作戦に大きく差し支える。
(出典:豊田穣『海軍軍令部』)
・この者ども罪あるにあらず、ただ右凶徒を罪して爾後の累悪を防がんがためなり。
(出典:山田風太郎『修羅維新牢』)
・恐らく犯行系統の発覚を恐れ、爾後の行動の秘密を保つためと思はれる。
(出典:岸田国士『従軍五十日』)
・仍てこの日をもって爾後毎年の新嘗祭日にしようという御沙汰書が残っている。
(出典:柳田国男『海上の道』)
・爾後、川合は満州方面の情報を取って来ては上海に帰り、ゾルゲに提供した。
(出典:松本清張『日本の黒い霧(上)』)