即ち
「江戸即ち現在の東京」などのように使う「即ち」という言葉。
「即ち」は、訓読みで「すなわち」と読みます。
「即ち」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「即ち」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
即ちの意味
「即ち」には次の意味があります。
・ 前に述べた事を別の言葉で説明しなおすときに用いる。言いかえれば。つまり。(出典:デジタル大辞泉)
相手に説明をする際に、言葉を選び直して言い換える時に使う言葉です。
言い換える前に「即ち」を使うことで文章や会話をなめらかにつなぎ、途切れないようにする接続詞です。
平安時代は「則・乃・便」などの漢字を用いて「今現在」といった時間を表す名詞でしたが、現代では言い換える時の接続詞としての使用に、ほぼ限られています。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・十のつく日、即ち十日、二十日、三十日には便所の掃除をしてはならぬ。
(出典:モース・エドワード・シルヴェスター『日本その日その日』)
・死の後は即ち生の前なり、生の前は即ち死の後なり。
(出典:山田済斎『南洲手抄言志録』)
・遙かその以前の金時代、即ち今より約八百年前に實行されたこともある。
(出典:桑原隲蔵『支那人弁髪の歴史』)
・私が又、『恋愛と結婚』中に指摘して置いた如く性の問題は即ち生の問題である。
(出典ケイ・エレン『恋愛と道徳』:)
・いずれにしてもそう感ずることが、即ち若返りの徴でなくてはならない。
(出典:蒲原有明『夢は呼び交す』)
類語
・取りも直さず(とりもなおさず)
意味:そのままに。すなわち。ただちに。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・要するに(ようするに)
意味:今まで述べてきたことをまとめれば。かいつまんで言えば。(出典:デジタル大辞泉)
・詰まるところ(つまるところ)
意味:いろいろと考えたあげくにたどりついたことを述べるときに用いる。(出典:デジタル大辞泉)
・従って(したがって)
意味:前の条件によって順当にあとの事柄が起こることを表す。(出典:デジタル大辞泉)
・早い話が(はやいはなしが)
意味:てっとり早く言えば。簡単に言うと。(出典:デジタル大辞泉)