ドメスティック
「ドメスティック・ヴァイオレンス」などのように使う「ドメスティック」という言葉。
英語では「domestic」と表記します。
「ドメスティック」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「ドメスティック」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
ドメスティックの意味
「ドメスティック」には次の二つの意味があります。
1 家庭的であるさま。家族的であるさま。また、家事に関するさま。
2 自国・国内に関するさま。(出典:デジタル大辞泉)
それぞれの意味、使い方、類語については下記の通りです。
ドメスティックの意味①「家庭的であるさま。家族的であるさま。また、家事に関するさま。」
「ドメスティック」の一つ目の意味は「家庭的であるさま。家族的であるさま。また、家事に関するさま。」です。
一つ目の「ドメスティック」の意味を分かりやすく言えば、「家族関連や家での行いのこと」という意味です。
日本語では「ドメスティック・ヴァイオレンス」の「ドメスティック」でよく知られています。
具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・あの台所で働くユリはドメスティックでわるくないでしょう。
(出典:宮本百合子『獄中への手紙』)
・ライオンが家畜に適さないのと同様に、恋は狂暴すぎてとてもドメスティックな生活に向いていない。
(出典:阿刀田高『ナポレオン狂』)
・生きるのに貪欲で、素直でドメスティックな感覚が、女の人らしくてかわいいではないか。
(出典:群ようこ『飢え』)
・古代ギリシャの思想では、結婚は人間製産の肉体的営みに過ぎず、妻は精神的に夫と対立し得ぬドメスティックな存在でしかなく、真の恋愛は専ら年若き同性を対象とした。
(出典:江戸川乱歩/紀田順一郎編『江戸川乱歩随筆選』)
類語
・家庭的(かていてき)
意味:家庭生活に向いているさま。また、家庭を大事にするさま。(出典:デジタル大辞泉)
ドメスティックの意味②「自国・国内に関するさま。」
「ドメスティック」の二つ目の意味は「自国・国内に関するさま。」です。
この意味では、国内総生産を意味するGDP(Gross Domestic Product)などで「ドメスティック」が使われています。
具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・声の大きな者が幅をきかせる。これはこの国のドメスティックな部分を濃厚に受け継ぐ陸軍の傾向だった。旧軍崩壊以来もその伝統は統いているらしい。
(出典:榊涼介『ガンパレード・マーチ 13-山口防衛戦2』)
・そしてそれが出現するやいなや田舎の中心でもあった町にあるドメスティックなものと争うようになった。人間は圧倒的な魅力によって都市にみなひきつけられた。
(出典:ウェルズ/浜野輝訳『ダヴィドソンの眼の異常な体験』)
・これには、いくつかのドメスティック・ルールがあるはずだったが、秀克が子供の頃よくやったルールを採用した。
(出典:梶尾真治『百光年ハネムーン』)
類語
・自国(じこく)
意味:自分の国。自分の生まれた国、または、自分が国籍をもつ国。(出典:デジタル大辞泉)
・GDP (Gross Domestic Product)
意味:国内総生産。GNP(国民総生産)から、海外からの純所得を引いた額。(出典:精選版 日本国語大辞典)