もぬけの殻
「急いで駆け付けたが部屋はもぬけの殻だった」などのように使う「もぬけの殻」という言葉。
「もぬけの殻」は、訓読みで「もぬけのから」と読みます。
「もぬけの殻」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「もぬけの殻」の意味や使い方について、小説などの用例を紹介して、わかりやすく解説していきます。
もぬけの殻の意味
「もぬけの殻」には次の意味があります。
・中身や箱の中などが空っぽの状態であることを意味する語。(出典:実用日本語表現辞典)
「もぬけ」(蛻)とは、蝉や蛇が脱皮することを指します。
分かりやすく言うと、脱皮後の殻のように中身が無い事という意味になります。
小説などでの具体的な使い方・例文は下記の通り。
使い方・例文
・当然だろう、ベッドには俺の姿はなく、部屋はもぬけの殻なんだから。
(出典:奈須きのこ『歌月十夜-1 本編』)
・ああ、屋根裏部屋のドアが大きく開かれ、なかはもぬけの殻だったのだ。
(出典:ルブラン/野内良三訳『ルパンの告白』)
・籠はいつのまにか蓋が開いていて、中はもぬけのからだったのである。
(出典:恩田陸『ドミノ』)
・ミズーが寝ていたはずの場所が、もぬけのからになっていることはすぐに知れた。
(出典:秋田禎信『エンジェル・ハウリング 第1巻 「獅子序章 – from the aspect of MIZU」』)
・それゆえ、明日お訪ねになられても、巣はもぬけのからになっておりましょう。
(出典:ドイル/鈴木幸夫,鮎川信夫,齊藤重信訳『シャーロック・ホームズ全集(上)』)
・倉庫のなかはもぬけのから、青髪鬼のすがたはどこにも見えないのだ。
(出典:横溝正史『青髪鬼』)
・いや、恐らく捕まったのであろう、中はもぬけの殻で誰一人姿を現さない。
(出典:山田悠介『リアル鬼ごっこ』)
・いまシュバルたちがいる砦も、彼らが到着したときには、すでにもぬけの殻になっていた。
(出典:上橋菜穂子『守り人シリーズ10 天と地の守り人 第三部』)