健気
「健気に振る舞う」などのように使う「健気」という言葉。
「健気」は、音読みで「けなげ」と読みます。
「健気」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「健気」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
健気の意味
「健気」には次の三つの意味があります。
1殊勝なさま。心がけがよく、しっかりしているさま。
2勇ましく気丈なさま。
3健康であるさま。(出典:デジタル大辞泉)
それぞれの意味、使い方、類語については下記の通りです。
健気の意味①「殊勝なさま。心がけがよく、しっかりしているさま。」
「健気」の一つ目の意味は「殊勝なさま。心がけがよく、しっかりしているさま。」です。
特に子供や力が弱い人が困難に立ち向かっていくことを表します。
近年では、主にこの意味で使われることが多いです。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・でもね、いいのよあの子たち、健気で胸が締めつけられる思いがしたわ。
(出典:ヒキタクニオ『ベリィ・タルト』)
・ いかにも不当な取り扱いを受けている健気な女の子といった感じだった。
(出典:有沢まみず『いぬかみっ!03』)
・巨大な影の王宮で、護衛も伴侶もなく、ひとり健気にも運命を待っている。
(出典:R・E・ハワード『不死鳥コナン』)
・この少女時代の物語への憧れを語った部分が、本当に健気で可愛らしいの!
(出典:野村美月『文学少女の今日のおやつ 第1回 『更級日記』』)
類語
・殊勝(しゅしょう)
意味:心がけや行動などが感心なさま。けなげであるさま。(出典:デジタル大辞泉)
・神妙(しんみょう)
意味:心がけや行いが立派ですぐれていること。けなげで感心なこと。また、そのさま。(出典:デジタル大辞泉)
・奇特(きとく)
意味:言行や心がけなどがすぐれていて、褒めるに値するさま。(出典:デジタル大辞泉)
健気の意味②「勇ましく気丈なさま。」
「健気」の二つ目の意味は「勇ましく気丈なさま。」です。
簡単に言い換えると、困難に立ち向かいつつ気持ちをしっかりと保つという意味になります。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・しかもそれに気づいてない振りして安心を成り立たせているのだから、健気である。
(出典:綿矢りさ『インストール』)
・瀬戸口に言った地域で人類は健気に抵抗してるみたいよ。
(出典:榊涼介『ガンパレード・マーチ 15 山口防衛戦4』)
類語
・大胆不敵(だいたんふてき)
意味:度胸がすわっていて、敵を敵とも思わないこと。肝っ玉が大きく、何事にも動じないさま。(出典:学研 四字熟語辞典)
・勇士(ゆうし)
意味:勇気のある強い人。(出典:デジタル大辞泉)
・豪勇(ごうゆう)
意味:強くいさましいこと。勇気があってものおじしないさま。また、その人。(出典:デジタル大辞泉)
健気の意味③「健康であるさま。」
「健気」の三つ目の意味は「健康であるさま。」です。
健康である様子を表しています。この健康であるという意味の健気は現在ではあまり使われていません。
具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・ 健気な老婆としよりのことばと聞き、堂衆たちは一も二もなく信じたに違いない。
(出典:吉川英治『宮本武蔵』)
・一面の緑の中で、生え初めた赤ん坊の歯の白さが健気に自己を主張している。
(出典:大岡信『名句歌ごよみ〔夏〕』)
類語
・壮健(そうけん)
意味:健康で元気なこと。また、そのさま。(出典:デジタル大辞泉)
・健全(けんぜん)
意味:身心が正常に働き、健康であること。また、そのさま。(出典:デジタル大辞泉)
・達者(たっしゃ)
意味:からだが丈夫で健康なさま。(出典:デジタル大辞泉)