所詮
「所詮叶わぬ夢」などのように使う「所詮」という言葉。
「所詮」は、音読みで「しょせん」と読みます。
「所詮」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「所詮」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
所詮の意味
「所詮」には次の二つの意味があります。
1 詮ずるところ。つまるところ。要するに。結局。また、こうなったからには。
2 どのようにしても。どうせ。到底。(出典:精選版 日本国語大辞典)
それぞれの意味、使い方、類語については下記の通りです。
所詮の意味①「詮ずるところ。つまるところ。要するに。結局。また、こうなったからには。」
「所詮」の一つ目の意味は「詮ずるところ。つまるところ。要するに。結局。また、こうなったからには。」です。
「結局」と同じように使われる意味ですが、良い意味よりも悪い意味で使われる場合が多いです。
具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・所詮女はそういうものだということが、よくわかる年齢になっていた。
(出典:林真理子『短篇集 少々官能的に』)
・茂森がいかに実力者であろうと、所詮、その力は企業の内部なかに限られる。
(出典:山田正紀『謀殺のチェス・ゲーム』)
・昼間にも思ったことだが、人間一人の力には所詮、限界があるものだ。
(出典:水野良『新ロードス島戦記1 闇の森の魔獣』)
・だけど、たとえそうでも、所詮その中で働いているのは俺達人間なんだよな。
(出典:幸田真音『傷 邦銀崩壊(下)』)
類語
・挙句(あげく)
意味:終わり。結果。(出典:デジタル大辞泉)
・結局(けっきょく)
意味:物事の終わり。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・到頭(とうとう)
意味:物事が最終的にそうなるさま。(出典:デジタル大辞泉)
・とどのつまり
意味:いきつくところ。(出典:デジタル大辞泉)
所詮の意味②「どのようにしても。どうせ。到底。」
「所詮」の二つ目の意味は「どのようにしても。どうせ。到底。」です。
半ば諦めのような気持ちを表す言葉です。
具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・晴代は所詮駄目だといふ気がしたが、それも二人の大きな亀裂であつた。
(出典:徳田秋声『のらもの』)
・我々が相手にしている読者なんて、所詮その程度のものだったんだ。
(出典:森村誠一『野性の証明』)
・所詮誰も信用できない世の中なら、私はその全てを利用して生きていくまでだ。
(出典:成田良悟『baccano! 1931 特急編 The Grand Punk Railroad』)
・ただ犬に話しかけてもらいたかったのだが、それは所詮むだな願いであった。
(出典:デフォー/佐山栄太郎訳『ロビンソン・クルーソー』)
類語
・どうせ
意味:あきらめや、すてばちな気持ちを表す語。(出典:デジタル大辞泉)
・高高(たかだか)
意味:大したことではないさま。(出典:デジタル大辞泉)
・高が知れる(たかがしれる)
意味:大したことはない。(出典:デジタル大辞泉)
・何れにしても(いづれにしても)
意味:どっちみち。(出典:デジタル大辞泉)