ファジー
「ファジーな関係」などのように使う「ファジー」という言葉。
英語では「fuzzy」と表記します。
「ファジー」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「ファジー」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
ファジーの意味
「ファジー」には次の二つの意味があります。
1 境界、定義などが不明確であること。ぼんやりしたさま。あいまいなさま。
2 人間の認識のあいまいな部分をコンピュータで処理する技術。(出典:精選版 日本国語大辞典)
それぞれの意味、使い方、類語については下記の通りです。
ファジーの意味①「境界、定義などが不明確であること。ぼんやりしたさま。あいまいなさま。」
「ファジー」の一つ目の意味は「境界、定義などが不明確であること。ぼんやりしたさま。あいまいなさま。」です。
「ファジーな関係」で「境界が不明確であいまいな関係」という意味になります。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・どちらとも言えないファジーな領域のなかに、日本人は生きているという。
(出典:片岡義男『日本語の外へ(下)』)
・まあここはひとつ穏便になどというファジーな態度はとらないからシロクロがはっきりしていた。
(出典:山際淳司『ダブルボギークラブへようこそ』)
・ファジーなんて流行語は好きではないが、秋津は大学を出てもう十年間、とっくの昔からファジーで、フリーで、気ままで、曖昧模糊とした生き方をしているのである。
(出典:南里征典『鎌倉誘惑夫人』)
・ものごとの公私をファジーにしたり、学生ならではの暢気さである。
(出典:姫野カオルコ『禁欲のススメ』)
類語
・不明瞭(ふめいりょう)
意味:はっきりしないこと。あいまいなこと。また、そのさま。(出典:デジタル大辞泉)
・曖昧(あいまい)
意味:態度や物事がはっきりしないこと。また、そのさま。あやふや。(出典:デジタル大辞泉)
・グレーゾーン
意味:どっちつかずのあいまいな領域。判断が分かれるもの。中間領域。(出典:大辞林 第三版)
・模糊(もこ)
意味:ぼんやりしているさま。はっきりしないさま。(出典:デジタル大辞泉)
ファジーの意味②「人間の認識のあいまいな部分をコンピュータで処理する技術。」
「ファジー」の二つ目の意味は「人間の認識のあいまいな部分をコンピュータで処理する技術。」です。
人間の言語などに含まれる曖昧な部分を「0」と「1」の間の数で表し、コンピューターで処理する技術を指します。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・ファジー理論は、そうした融通のきかぬ機械に「あいまいさ」を組み込んで、機械のほうを人間に近づけようとする試みなのである。
(出典:森本哲郎『日本語 根ほり葉ほり』)
・私はなぜかついこのあいだコマーシャルで見た、ファジー炊飯器とやらを思い出す。
(出典:角田光代『あしたはうんと遠くへいこう』)
・ 興味深いのは、この工程にファジーの考え方が取り込まれていることだ。
(出典:堀ノ内雅一『指紋捜査官 「1cm2(平方センチ)の宇宙」を解き明かした男の1万日』)
類語
・臨機応変(りんきおうへん)
意味:その時々の場面や状況の変化に応じて、適切な処置を施すこと。(出典:大辞林 第三版)
・人工知能(じんこうちのう)
意味:コンピューターで、記憶・推論・判断・学習など、人間の知的機能を代行できるようにモデル化されたソフトウエア・システム。AI。(出典:デジタル大辞泉)
・自動制御(じどうせいぎょ)
意味:種々の機械装置やプラントの運転・操作を機械を用いて自動的に行うこと。オートメーション。(出典:大辞林 第三版)