塞翁が馬
「人間万事塞翁が馬」などのように使う「塞翁が馬」という言葉。
「塞翁が馬」は「塞翁」が音読み、「馬」が訓読みで「さいおうがうま」と読みます。
「塞翁が馬」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「塞翁が馬」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
塞翁が馬の意味
「塞翁が馬」には次の意味があります。
・人生の禍福は転々として予測できないことのたとえ。(出典:デジタル大辞泉)
幸と不幸がいつやってくるのか、予想がつかないという意味です。
塞翁が飼っていた馬が逃げ出したが立派な馬を連れて帰ってきた、塞翁の息子が落馬して怪我をしたが戦争に行かなくてすんだという、『淮南子(えなんじ)』「人間(じんかん)訓」の故事による格言です。
具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・もちろん詭弁は両刃の剣だから〝塞翁が馬〟も悪用が可能である。
(出典:阿刀田高『詭弁の話術』)
・漢文で習った『塞翁が馬』が、教科書を飛び出して頭の中をグルグル駆け回った。
(出典:今野緒雪『マリア様がみてる 11 パラソルをさして』)
・その実相を見るとき、「人間万事塞翁が馬」とか「禍福はあざなえる縄のごとし」とかいう人生のバランス論が、いかに楽観論であるか実感できるのである。
(出典:森村誠一『異型の街角』)
・私の座右の銘は「人間万事塞翁が馬」という句です。
(出典:里中哲彦『鬼平犯科帳の真髄』)
・曰く「塞翁が馬」、曰く「盧生之夢」、曰く「世短意常多」と。
(出典:原口統三『二十歳のエチュード』)
類語
・一寸先は闇(いっすんさきはやみ)
意味:人生はほんの少し先でさえも予測できないことのたとえ。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・禍福は糾える縄の如し(かふくはあざなえるなわのごとし)
意味: わざわいが福になり、福がわざわいのもとになったりして、この世の幸不幸はなわをより合わせたように表裏をなすものであるの意。 (出典:精選版 日本国語大辞典)
・吉凶は糾える縄の如し(きっきょうはあざなえるなわのごとし)
意味:よいことと悪いことは、より合わせた縄のようにかわるがわる来るものである。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・沈む瀬あれば浮かぶ瀬あり(しずむせあればうかぶせあり)
意味:長い人生のうちには悪いときもあればよいときもある。悪いことばかりが続くものではないというたとえ。(出典:デジタル大辞泉)
・物は考えよう(ものはかんがえよう)
意味:物事は考え方しだいで、よくも悪くも受け取ることができる。(出典:デジタル大辞泉)