辻褄
「話の辻褄を合わせる」などのように使う「辻褄」という言葉。
「辻褄」は、訓読みで「つじつま」と読みます。
「辻褄」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「辻褄」の意味や使い方について、小説などの用例を紹介して、わかりやすく解説していきます。
辻褄の意味
「辻褄」には次の意味があります。
・合うべきところがきちんと合う物事の道理。(出典:デジタル大辞泉)
「辻褄」という言葉の語源は、裁縫用語で縫い目が十文字に交わること部分の「辻」、着物の裾の左右両端の部分の「褄」。これらがどちらも合うべきところがきちんと合っていることが大切であることからできた言葉です。
小説などでの具体的な使い方・例文は下記の通り。
使い方・例文
・都内からわざわざ川崎へ出かけてきた理由の辻褄あわせが大へんである。
(出典:阿部牧郎『誘惑魔』)
・くだらない質問ばかりだと笑っていたのに、ちゃんと辻褄が合っている。
(出典:A・C・ドイル『新潮文庫 シャーロックホームズ全集 緋色の研究』)
・全てとは言わなくても、辻褄が合う程度の真相を見つけ出すことだろう。
(出典:西尾維新『クビシメロマンチスト 人間失格・零崎人識』)
・一太郎は、これで辻褄があった話を、お美津に説明しようかとも思った。
(出典:畠中恵『おまけのこ』)
・二人の天皇があってはまずいから、この際辻褄を合わせたのであった。
(出典:新田次郎『新田義貞(下)』)
・スワンソンの話の辻褄を合せるために、彼は実際に小切手をやったんだ。
(出典:クイーン/二宮佳景訳『オランダ靴の秘密』)
・実は私も、散々考えまして、辻褄の合う結論を出しましたんでございます。
(出典:ガードナー/池央耿訳『緋の接吻』)
・辻褄の合つたやうなまた合はないやうなはなしになつて言葉はながれて行つた。
(出典:島木健作『盲目』)