虚言
「きょげん」(「きょごん」「そらごと」とも)と読みます。
「虚言癖」「虚言を弄(ろう)する」などと使われることが多いようです。
「虚」には「からっぽ」「むなしい」等の他、「うわべの」という意味もあるので、読んで字のごとし。
この記事では「虚言」の意味や使い方について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
虚言の意味
虚言には次の意味があります。
・他人をあざむくいつわりの言葉。まごころから言うのではない言葉。うそ。そらごと。
(出典:精選版 日本国語大辞典)
真実とは違うことを、他人をだます目的で発するのが虚言です。
似た言葉に「妄言(もうげん)」がありますが、「妄言」は突拍子もない思い込みや、何の根拠もない理屈に合わない言葉という意味合いで使われるので、「虚言」の方が悪意が強く感じられますね。
使い方・例文
・上杉の言うことは常務会に危機を匿かくした虚言ばかりだ、と安田は思った。
(出典: 松本清張『空の城』)
・殊更に虚言を云ったのか、精しく情報を得て居なかったのか分らぬ。
(出典: 幸田露伴『蒲生氏郷』)
・虚言にしては拙劣せつれつであり、相楽に金を横奪りされた事実も間が抜けている。
(出典:森村誠一『花刑』)
・二十四名は勤めを怠ったが、虚言を吐くは武士としてそれ以上の重罪である。
(出典:五味康祐『十二人の剣豪』)
・少なくもこの種の科学者は小説家を捕えて虚言者とののしる権利はあるまい。
(出典:寺田寅彦『科学者と芸術家』)