寒波
「寒波が押し寄せる」などのように使う「寒波」という言葉。
「寒波」は、音読みで「かんぱ」と読みます。
「寒波」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「寒波」の意味や使い方について、小説などの用例を紹介して、わかりやすく解説していきます。
寒波の意味
「寒波」には次の意味があります。
・高緯度にある寒冷な気団が、季節風となって温帯地方などにはいりこみ、いちじるしい寒気をもたらす現象。(出典:精選版 日本国語大辞典)
簡単にいうと、寒気の吹き出しで急激に気温が低くなる現象のことです。
冬期に、広い範囲で2~3日またはそれ以上にわたって、顕著な低温をもたらします。
日本付近の寒波は、シベリア大陸で発達した寒気団による西高東低の気圧型による北西の季節風に伴って起こります。
なお和歌では、冬の季語として扱われる言葉です。
小説などでの具体的な使い方・例文は下記の通り。
使い方・例文
・今年の正月は三ヶ日を過ぎると寒波が襲って、五日の日は大風が吹いた。
(出典:福永武彦『第四随筆集 夢のように』)
・その冬初めての本格的な寒波がきたのは数日後。
(出典:石田衣良『池袋ウエストゲートパーク 第1巻』)
・山の色彩が緑から赤へと姿を変え、訪れる寒波に対して静かに用意を始める秋。
(出典:井上堅二『バカとテストと召喚獣 6』)
・そう考えるのはだれも同じで、アメリカもかなりの異常寒波。
(出典:星新一『あれこれ好奇心』)
・寒波がやってくる前に、早めに陣をひくことを考えているはずだから。
(出典:高野和『七姫物語』)
・田舎に暮らす平民にとって、竜といえば嵐や寒波に並ぶ恐怖の対象であった。
(出典:ヤマグチノボル『ゼロの使い魔 外伝 タバサの冒険 1』)
・真冬にもの凄い寒波がやって来て、体力のない老人たちがいっぱい死んだ。
(出典:馳星周『不夜城完結編 長恨歌』)
・なんか五月のような陽気だなあと思っていたら、また突然寒波がやってくる。
(出典:鷲田清一『てつがくを着て、まちを歩こう ―ファッション考現学』)