旗色が悪い
「味方の旗色が悪い」などのように使う「旗色が悪い」という言葉。
「旗色が悪い」は、「はたいろがわるい」と読みます。
「旗色が悪い」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「旗色が悪い」の意味や使い方について、小説などの用例を紹介して、わかりやすく解説していきます。
旗色が悪いの意味
「旗色が悪い」には次の意味があります。
・ 形勢が思わしくない様子、戦況が劣勢に傾いているさま。(出典:実用日本語表現辞典)
「旗」というのは、戦場において味方の状況を知るために、採用されていました。
つまり、「旗色が悪い」は、状況が良くないことを表します。
小説などでの具体的な使い方・例文は下記の通り。
使い方・例文
・一時反対派の旗色が悪かったが、その後少し盛り返しかけたようである。
(出典:森村誠一『日蝕の断層』)
・よく知られているように、この自己からはじめる思想はいま、旗色が悪い。
(出典:加藤典洋『敗戦後論』)
・おしまいには自分の方が旗色が悪くなって、謝罪までさゝれそうになった。
(出典:菊池寛『天の配剤』)
・私が体感していたのは次第に旗色が悪くなって行く緊迫した傾きだけであった。
(出典:島尾敏雄『魚雷艇学生』)
・旗色が悪いと見て、分割発注に切りかえようとしたのかもしれない。
(出典:新田次郎『富士山頂』)
・今度も南方の軍閥の旗色が悪く、北方が勝利を得つつあるというのである。
(出典:パール・バック/大久保康雄訳『大地(2部)』)
・私は、どうも旗色が悪くなったような気がしはじめた。
(出典:イネス/池央耿訳『孤独なスキーヤー』)
・これらの現象を一転機として、次第に平家の旗色が悪くなってきた。
(出典:作者不詳『現代語訳 平家物語』)