たたき台
「計画のたたき台」などのように使う「たたき台」という言葉。
「たたき台」は、音読みで「たたきだい」と読みます。
「たたき台」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「たたき台」の意味や使い方について、小説などの用例を紹介して、わかりやすく解説していきます。
たたき台の意味
「たたき台」には次の意味があります。
・批判・検討などを加えて、よりよい案を得るための原案。(出典:デジタル大辞泉)
たたき台(叩き台)は、ビジネスシーンでもよく登場します。とりあえず作る文書案として、大幅に修正する前提で作りますが、コンセプトや到達点といった大まかな部分を言語化する文書として、大切な役割を持ちます。
広い意味では、文書以外の原案も含みます。
小説などでの具体的な使い方・例文は下記の通り。
たたき台の使い方・例文
・このときの調査団の報告をたたき台にしてつくられた「十二表法」については、後に述べることにする。
(出典:塩野七生 『ローマ人の物語1』)
・これを一種のたたき台と考えればいい。
(出典:東海林さだお 『キャベツの丸かじり』)
・さらにこの実験機をたたき台に改良を重ね、波長三メートルの対空見張りレーダーの試作に成功する。
(出典:中川靖造 『海軍技術研究所』)
・「対英米戦ヲ辞セス」という字句を受け、海軍の幕僚たちによって激しい案がたたき台としてだされたのは、八月半ばのことであった。
(出典:保阪正康 『東條英機と天皇の時代(上) 軍内抗争から開戦前夜まで』)
・昭和三十九年、F1レースに参戦した時にも、いきなりF1マシンの試作品を作って、それをたたき台にして試作に次ぐ試作を重ねた。
(出典:城山三郎 『勝 つ 経 営』)
・彼のとなえる学問も、礼学をたたき台にした実学に近いもので、人材の登用法や| 政 《まつりごと》の組織の運営、税収の方法を、いかに整備していくかを説く。
(出典:井上祐美子 『五王戦国志6 風旗篇』)
・その頃、木原を中心とするテープレコーダ開発陣は、二十四年九月につくりあげた原型機をたたき台に、改良型の試作を急いでいた。
(出典:中川靖造 『創造の人生 井深大』)
・「好ましくないどころか、阪神銀行はサンドイッチの中身扱いにされているんですよ」 と云い、春田にさっき見せて貰った銀行合併のたたき台のことを話した。
(出典:山崎豊子 『華麗なる一族(中)』)