庇う
「友達を庇う」などのように使う「庇う」という言葉。
「庇う」は、訓読みで「かばう」と読みます。
「庇う」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「庇う」の意味や使い方について、小説などの用例を紹介して、わかりやすく解説していきます。
庇うの意味
「庇う」には次の意味があります。
・他から害を受けないように、助け守る。いたわり守る。(出典:デジタル大辞泉)
言い換えると、危険などがその人がいかないように身を犠牲にしてでも大切に守ることです。
この場合の「害」や「危険」とは、直接的に身体を傷つけたり捕らえるたりする行為に限らず、批判や中傷などといった心理的に人を傷つけるような、目に見えない行為も含みます。
元々この「庇う」には「大事にしまっておく」という意味もありますが、見かけるのは古文のみで、現在ではこの意味ではあまり用いられません。
小説などでの具体的な使い方・例文は下記の通り。
使い方・例文
・驚いたことに侍二人は、若だんなと松之助を襲撃から庇ってくれている。
(出典:畠中恵『うそうそ』)
・あなたの御主人は、最初は美菜子を庇う気なんかまるでない様子だった。
(出典:東野圭吾『レイクサイド』)
・お時が千助を庇うように仁蔵の前に立ったのも彼の胸をかきむしった。
(出典:松本清張『無宿人別帳』)
・必要以上に佐々木を庇い過ぎたような気がしないでもなかったからだ。
(出典:高杉良『呪縛 金融腐蝕列島II(上)』)
・しかしそれまで支持してくれた人達にも次第に庇いきれなくなってきた。
(出典:初野晴『水の時計』)
・彼がかばって居ると見らるべき犯人の存在は想像する事は出来ませぬ。
(出典:浜尾四郎『彼が殺したか』)
・貴方の失敗をかばってくれこそすれ、人に話すような方ではありません。
(出典:石坂洋次郎『陽のあたる坂道』)
・叔父はあくまで他人にすぎなかったし、僕をかばってはくれませんでした。
(出典:赤川次郎『マリオネットの罠』)