挙げる
「例を挙げる」などのように使う「挙げる」という言葉。
「挙げる」は、訓読みで「あげる」と読みます。
「挙げる」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「挙げる」の意味や使い方について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
挙げるの意味
「挙げる」には次の三つの意味があります。
1 検挙する。
2 力などを出し尽くす。子を得る。
3 人の目についたり、広く知られるようにする。(出典:デジタル大辞泉)
それぞれの意味や使い方については下記の通りです。
挙げるの意味①「検挙する。」
「挙げる」の一つ目の意味は「検挙する。」です。
この場合の「挙げる」をわかりやすく説明すると、「事件の犯人と思われる人を逮捕し、捜査手続きを行う」という意味があります。例えば、「事件の被疑者を挙げる」で、「事件の犯人と疑われる人物を逮捕し、捜査手続きを行う」という意味になります。
小説などでの具体的な使い方は下記の通り。
使い方・例文
・村内は、安西が大きな犯人を挙げるのを、結局、邪魔したことになった。
(出典:赤川次郎『禁じられた過去』)
・事件以後数日を経るも、警視庁は一人の嫌疑者を挙げることもできない。
(出典:横溝正史『殺人暦』)
・犯人を挙げるだけの証拠がないなら、こちらが防衛するしかない。
(出典:二階堂黎人『奇跡島の不思議』)
挙げるの意味②「力などを出し尽くす。子を得る。」
「挙げる」の二つ目の意味は「力などを出し尽くす。子を得る。」です。
例えば、「総力を挙げる」で「全力を出し尽くす」という意味になります。また、「結婚の末、子を挙げる」のように「子を得る」という意味もあります。
小説などでの具体的な使い方は下記の通り。
使い方・例文
・彼は全力を挙げて、この正体の知れぬ殺人魔と闘う決心をしたのであった。
(出典:海野十三『蠅男』)
・新幹線の通過で騒音が出るなら、騒音対策に全力を挙げようではないか。
(出典:半村良『不可触領域』)
・此村のある百姓が発見して大切に連れ戻り、天女と結婚して子孫を挙げた。
(出典:折口信夫『琉球の宗教』)
挙げるの意味③「人の目についたり、広く知られるようにする。」
「挙げる」の三つ目の意味は「人の目についたり、広く知られるようにする。」です。
この場合の「挙げる」には、「多くの人の前で物事を行う」という意味があります。 例えば、「結婚式を挙げる」で「多くの人の前で結婚式を執り行う」という意味になります。また、「推薦する」や「実際に効果を示す」という意味もあります。
小説などでの具体的な使い方は下記の通り。
使い方・例文
・目的のためには手段を選ばないし、苦労をしないで名を挙げようとする。
(出典:笹沢左保『雪に花散る奥州路』)
・誓って言うが、あのひとが望むときに望むところで式を挙げるつもりだ。
(出典:セルバンテス/荻内勝之訳『ペルシーレス(上)』)
・お嬢さんはまたわざわざその例を挙げて私に説明して聞かせるのです。
(出典:夏目漱石『こころ』)
・彼女のファンの中には、この点を魅力の第一に挙げる者も少なくなかった。
(出典:東野圭吾『白夜行』)