不穏当
「不穏当な発言」などのように使う「不穏当」という言葉。
「不穏当」は、音読みで「ふおんとう」と読みます。
「不穏当」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「不穏当」の意味や使い方について、小説などの用例を紹介して、わかりやすく解説していきます。
不穏当の意味
「不穏当」には次の意味があります。
・ 穏当でないこと。おだやかでないこと。また、そのさま。(出典:精選版 日本国語大辞典)
「不穏当な発言」であれば、「適切ではない発言」という意味になります。
小説などでの具体的な使い方・例文は下記の通り。
使い方・例文
・現代は一応平和な世の中で、合戦などという言葉は不穏当だといわれるか。
(出典:北杜夫『マンボウぼうえんきょう』)
・そういうことが起こらぬ以上、かれらの信仰に不穏当なところはあるまい。
(出典:R・E・ハワード『征服王コナン』)
・そのうちに社会の情勢はこの書の刊行を不穏当とするようなふうに変わって来た。
(出典:和辻哲郎『古寺巡礼』)
・ここに述べるには不穏当な種々の理由から、私はその計画を中止したのである。
(出典:ロラン・ロマン『ジャン・クリストフ』)
・魔法師が魔法師に向ける言葉としては、不穏当で不謹慎なものだった。
(出典:佐島勤『魔法科高校の劣等生 12 ダブルセブン編』)
・この点からみても朝顔の名は不穏当なものであるといえる。
(出典:牧野富太郎『植物一日一題』)
・われわれにとって不穏当だといっているだけです。
(出典:眉村卓『不定期エスパー2』)
・しかし中平も部落の全員を疑ることが不穏当だということぐらいは分っている。
(出典:坂口安吾『保久呂天皇』)