善し悪し
「事の善し悪し」などのように使う「善し悪し」という言葉。
「善し悪し」は、訓読みで「よしあし」と読みます。
「良し悪し」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「善し悪し」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
善し悪しの意味
「善し悪し」には次の二つの意味があります。
1よいことと悪いこと。よいか悪いか。
2よいとも悪いともすぐには判断できかねる状態であること。(出典:デジタル大辞泉)
それぞれの意味、使い方、類語については下記の通りです。
善し悪しの意味①「よいことと悪いこと。よいか悪いか。」
「善し悪し」の一つ目の意味は「よいことと悪いこと。よいか悪いか。」です。
ある出来事や結果が、良かったことと悪かったことが表裏一体の際に、話し言葉として使用されます。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・もう一度云ひますが、黒白といふのは物事の善し悪しといふことです。
(出典:岸田国士『ママ先生とその夫』)
・でも、誰かに魅力があるのは、人の善し悪しとは関係ないよ。
(出典:石田衣良『アキハバラ@DEEP』)
・ぼくは、英語はなんとか読めても、作品の善し悪しは判定できません。
(出典:小林信彦『夢の砦』)
・長く入院してると、医者の善し悪しはだいたいわかるようになる。
(出典:橋本紡『半分の月がのぼる空2』)
類語
・良否(りょうひ)
意味よいことと、よくないこと。:(出典:デジタル大辞泉)
・一利一害(いちりいちがい)
意味:利益もあるが害もあること。(出典:デジタル大辞泉)
・一長一短(いっちょういったん)
意味:長所がある一方、短所もあること。(出典:デジタル大辞泉)
・適否(てきひ)
意味:適することと、適さないこと。(出典:デジタル大辞泉)
善し悪しの意味②「よいとも悪いともすぐには判断できかねる状態であること。」
「善し悪し」の二つ目の意味は「よいとも悪いともすぐには判断できかねる状態であること。」です。
恐らく、などの前置きをつけて未来の見通しとして結論を出すときに、良いこと悪いことのどちらでもあり得るであろう観測的意見を述べるときに使用します。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・しかし、運の善し悪しは、結果をもってのみ知ることができる。
(出典:水野良『ロードス島戦記 6 ロードスの聖騎士(上)』)
・つまり状況を変えると、善し悪しが逆転してしまうのである。
(出典:養老孟司『からだを読む』)
・これは人気の悪い郡内あたりを通らすには善し悪しであるけれども、そこはよく七兵衛が意見をしておきました。
(出典:中里介山『大菩薩峠』)
・入院を過去形にすると、善し悪しが半々だな、と不意に思った。
(出典:入間人間『嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん 2 善意の指針は悪意』)
類語
・正邪(せいじゃ)
意味:正しいこととよこしまなこと(出典:精選版 日本国語大辞典)
・曲直(きょくちょく)
意味:不正なことと正しいこと。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・痛し痒し(いたしかゆし)
意味:ぐあいのよい面もあれば悪い面もあって、困る。(出典:デジタル大辞泉)
・是非(ぜひ)
意味:物事のよしあしを議論し判断すること。批評すること。(出典:デジタル大辞泉)