悪運
「悪運が強い」などのように使う「悪運」という言葉。
「悪運」は、音読みで「あくうん」と読みます。
「悪運」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「悪運」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介して、わかりやすく解説していきます。
悪運の意味
「悪運」には次の二つの意味があります。
1 悪い運命。まわりあわせの悪いこと。
2 悪事をなしても、その報いがなくて、なお栄えること。また、そのようなことをもたらす強い運。(出典:精選版 日本国語大辞典)
それぞれの意味、使い方、類語については下記の通りです。
悪運の意味①「悪い運命。まわりあわせの悪いこと。」
「悪運」の一つ目の意味は「悪い運命。まわりあわせの悪いこと。」です。
「悪運にみまわれる」で、「悪い運命に巡り当たる」という意味になります。
小説などでの具体的な使い方や類語は下記の通り。
使い方・例文
・海では、いつなんどき、どんな悪運にみまわれるか知れたものではない。
(出典:ユゴー/榊原晃三訳『九十三年』)
・隠さねばならない秘密があるときに病いにかかるとは、なんという悪運だろう!
(出典:アン・マキャフリイ『パーンの竜騎士シリーズ(全16巻) 3 白い竜』)
・悪運も全部逃げ出したものと思ってたが、まだ少し残ってたらしい。
(出典:D・マクダニエル/一ノ瀬直二訳『0011/ナポレオン・ソロ・シリーズ 第5巻 人類抹殺計画』)
・こんな事は百に一つあるか無しかの悪運だ!
(出典:コンラッド/蕗沢忠枝訳『ロード・ジム(上)』)
類語
・不運(ふうん)
意味:不幸な運命。また、物事のまわりあわせが悪く、うまく行かないさま。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・非運(ひうん)
意味:運がないこと。ふしあわせ。不運。(出典:デジタル大辞泉)
・厄運(やくうん)
意味:めぐり合わせの悪いこと。不運。(出典:デジタル大辞泉)
・災難(さいなん)
意味:思いがけず身にふりかかってくる不幸な出来事。(出典:デジタル大辞泉)
悪運の意味②「悪事をなしても、その報いがなくて、なお栄えること。また、そのようなことをもたらす強い運。」
「悪運」の二つ目の意味は「悪事をなしても、その報いがなくて、なお栄えること。また、そのようなことをもたらす強い運。」です。
この場合の「悪運」をわかりやすく言うと、「悪いことをしても、却って良いことが起こるような強い運」という意味があります。
小説などでの具体的な使い方や類語は下記の通り。
使い方・例文
・そしてあの男の悪運は、この自分の目から見ても侮りがたいものがある。
(出典:賀東招二『フルメタル・パニック!3 揺れるイントゥ・ザ・ブルー』)
・標本入手にかかわる悪運がつきかけたのは一九一〇年七月のことだった。
(出典:ラヴクラフト『ラヴクラフト全集5-5 死体蘇生者ハーバート・ウェスト』)
・我ながらものすごい悪運持ちだなって、いま噛み締めてるところなんだ。
(出典:奈須きのこ『月姫 黎明の月(アルクェイド・グッドエンド)』)
・危なかったことは何度かあったけど、僕はほら、悪運が強いからね。
(出典:若月京子『トラブル・トラブル』)
類語
・怪我の功名(けがのこうみょう)
意味:過失と思われたこと、なにげなしにやった事が、意外によい結果になること。(出典:デジタル大辞泉)
・不幸中の幸い(ふこうちゅうのさいわい)
意味:不幸な出来事の中でせめてもの救いとなること。(出典:デジタル大辞泉)
・物怪の幸い(もっけのさいわい)
意味:思いがけない幸運。(出典:デジタル大辞泉)
・強運(きょううん)
意味:運が強いこと。また、強い運勢。(出典:デジタル大辞泉)