温室育ち
「あの人は温室育ちだ」などのように使う「温室育ち」という言葉。
「温室育ち」は、音読みで「おんしつそだち」と読みます。
「温室育ち」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「温室育ち」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介して、わかりやすく解説していきます。
温室育ちの意味
「温室育ち」には次の意味があります。
・大事にされて育ったために、世間の苦労を知らず、きたえられていないこと。また、そういう人。(出典:デジタル大辞泉)
「あの人は温室育ちだ」は「あの人は世間知らずだ」と言い換えることができます。
小説などでの具体的な使い方や類語は下記の通り。
使い方・例文
・こんなことを言ってはなんですが、あなたたちはこれまで温室育ちでした。
(出典:井上ひさし『ドン松五郎の生活』)
・あのガラスの内側には、温室育ちの花がたっぷり飾られているのだろう。
(出典:谷瑞恵『伯爵と妖精 第12巻 紳士の射止めかた教えます』)
・温室育ちのお坊っちゃまでは、彼らの一人にすらも対抗できそうになかった。
(出典:森村誠一『悪魔の圏内(テリトリー)』)
・どんなに骨のある奴かと思えば、温室育ちのお坊ちゃんそのものだ。
(出典:松岡圭祐『千里眼 美由紀の正体 上』)
・温室育ちの元が見たことのない悲惨な情景が、つぎつぎとあらわれた。
(出典:パール・バック/大久保康雄訳『大地(3部)』)
類語
・過保護(かほご)
意味:子供などに必要以上の保護を与えること。また、そのようにされること。また、そのさま。(出典:デジタル大辞泉)
・乳母日傘(おんばひがさ)
意味:幼児に、乳母をつけたり、強い日に当たらぬように傘を差しかけたりすること。子供が大事に育てられることにいう。(出典:デジタル大辞泉)
・箱入り娘(はこいりむすめ)
意味:めったに外へも出さないようにして、家庭の中で大事に育てられた娘。(出典:デジタル大辞泉)
・世間知らず(せけんしらず)
意味:経験が浅く、世の中の事情にうといこと。また、その人やそのさま。世間見ず。(出典:デジタル大辞泉)
・未熟(みじゅく)
意味:学問や技術などの経験・修練がまだ十分でないこと。また、そのさま。(出典:デジタル大辞泉)