情けない
「情けない男」などのように使う「情けない」という言葉。
「情けない」は、訓読みで「なさけない」と読みます。
「情けない」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「情けない」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介して、わかりやすく解説していきます。
情けないの意味
「情けない」には次の二つの意味があります。
1同情の余地がない。嘆かわしい。
2みじめである。見るにしのびない。(出典:デジタル大辞泉)
それぞれの意味、使い方、類語については下記の通りです。
情けないの意味①「同情の余地がない。嘆かわしい。」
「情けない」の一つ目の意味は「同情の余地がない。嘆かわしい。」です。
わかりやすく言えば「悲しく、残念でみっともない」という意味です。
小説などでの具体的な使い方や類語は下記の通り。
使い方・例文
・足を引っ張ってしまうかもしれない自分が情けないのだ。
(出典:榊一郎『神曲奏界ポリフォニカ 4 ストラグル・クリムゾン』)
・元はといえば海軍が情けないから、こんなことになっとるんだろうが!!!
(出典:九条公人『戦艦「久遠」の生涯』)
・これだから近頃の男ときたらカワウソよりも情けないと言われるのです。
(出典:喬林知『今日からマ王 第5巻 外伝 「閣下とマのつく土佐日記!?」』)
・我ながらあまりにも情けないではないかと天を仰いで泣いたかもしれない。
(出典:南伸坊『ぼくのコドモ時間』)
類語
・嘆かわしい(なげかわしい)
意味:悲しく情けなく感じられる。残念に思う。(出典:デジタル大辞泉)
・哀れ(あわれ)
意味:かわいそうに思われるさま。気の毒だ。惨めだ。(出典:デジタル大辞泉)
・腑甲斐無い(ふがいない)
意味:情けないほど意気地がない。まったくだらしがない。(出典:デジタル大辞泉)
・残念(ざんねん)
意味:悔しく思うこと。また、そのさま。無念。(出典:デジタル大辞泉)
情けないの意味②「みじめである。見るにしのびない。」
「情けない」の二つ目の意味は「みじめである。見るにしのびない。」です。
わかりやすく言えば「見ていられないほどにひどく痛ましい」という意味です。
小説などでの具体的な使い方や類語は下記の通り。
使い方・例文
・こんな情けない運命だと知ったら、いっそ生まれて来ない方がよかった!
(出典:サド/澁澤龍彦訳『美徳の不幸』)
・自分との闘いに敗れた情けない男がたった一人で立っていた。
(出典:桐野夏生『OUT(下)』)
・一人で舞い上がっていた俺はなんだったんだと情けなく思う。
(出典:奈須きのこ『歌月十夜-53 happy day,happy place』)
・きっと自分は今ほど情けない顔をしていることはないだろう。
(出典:支倉凍砂『狼と香辛料X』)
類語
・惨め(みじめ)
意味:かわいそうで見るにしのびないさま。いたいたしいさま。(出典:デジタル大辞泉)
・悲惨(ひさん)
意味:見聞きに耐えられないほどいたましいこと。また、そのさま。(出典:デジタル大辞泉)
・可哀相(かわいそう)
意味:同情の気持ちが起こるさま。ふびんに思えるさま。(出典:デジタル大辞泉)
・痛痛しい(いたいたしい)
意味:気の毒で見ていられないほど、かわいそうである。(出典:デジタル大辞泉)