走狗
「権力の走狗」などのように使う「走狗」という言葉。
「走狗」は、音読みで「そうく」と読みます。
「走狗」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「走狗」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介して、わかりやすく解説していきます。
走狗の意味
「走狗」には次の意味があります。
・狩りのときに鳥や獣を追いたてるために、人に使われる犬。転じて、人の手先となって使われる者を軽蔑していう語。(出典:精選版 日本国語大辞典)
「狗」とは犬のことを意味します。
走る犬、つまりは猟犬のことを意味しており、飼い主の指示に従って走る犬を表しています。
そこから転じて、善悪や目的などに関係なく、主人(雇い主、ボスなど)に忠実に指示通り動く者を軽蔑して表す言葉となりました。
小説などでの具体的な使い方や類語は下記の通り。
使い方・例文
・走狗としてしか生き道がないのであれば、走狗に甘んじるしかないのだ。
(出典:峰隆一郎『人斬り弥介 第2巻 平三郎の首』)
・猪川の立場からすれば、山木は、権力の圧力に屈した権力の走狗なのだ。
(出典:三好徹『狙撃者たちの夏サミット・コンフィデンシャル』)
・反逆者の走狗でありお先棒かつぎである前船長は、現在拘束されています。
(出典:ジョン・ヴァーリイ『バービーはなぜ殺される』)
・ともあれ正一郎もまた革命に利用された一個の走狗ではあった。
(出典:古川薫『桂小五郎(下)』)
・警察は必ずしも権力の走狗ではない。
(出典:森村誠一『棟居刑事の憤怒』)
類語
・手先(てさき)
意味:手下となって使われる者。(出典:デジタル大辞泉)
・爪牙(そうが)
意味:主人の手足となって働く家臣。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・先棒(さきぼう)
意味:他人の手先となって行動すること。また、その人。(出典:デジタル大辞泉)
・御先棒(おさきぼう)
意味:人の手先になること。また、その人。お先棒担ぎ。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・道具(どうぐ)
意味:他の目的のために利用されるもの。また、他人に利用される人。(出典:デジタル大辞泉)