伝説
「伝説を残す」などのように使う「伝説」という言葉。
「伝説」は、音読みで「でんせつ」と読みます。
「伝説」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「伝説」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介して、わかりやすく解説していきます。
伝説の意味
「伝説」には次の二つの意味があります。
1 ある時、特定の場所において起きたと信じられ語り伝えられてきた話。
2 言い伝えること。言い伝えられること。また、うわさ。風聞。(出典:デジタル大辞泉)
それぞれの意味、使い方、類語については下記の通りです。
伝説の意味①「ある時、特定の場所において起きたと信じられ語り伝えられてきた話。」
「伝説」の一つ目の意味は「ある時、特定の場所において起きたと信じられ語り伝えられてきた話。」です。
簡単に言い換えると、昔からの言い伝えです。
古くから語り伝えられ、伝承されてきた口承文芸の一つで、その多くは歴史上の人物や特定地域の自然物、事件などと結びついて語られる場合があり、語る人も聞く人もそれを信じて語り継がれていくのが特徴です。
娯楽のために創作された空想的物語である昔話とは区別されます。
小説などでの具体的な使い方や類語は下記の通り。
使い方・例文
・どう見ても伝説にあるようなことの起こるにふさわしい場所ともいえる。
(出典:A・C・ドイル『新潮文庫 シャーロックホームズ全集 バスカヴィル家の犬』)
・むかしからそんな伝説のあるのを利用して、白い女に化けて来るんだよ。
(出典:岡本綺堂『雪女』)
・この池を帯取りというのは、昔からこういう不思議な伝説があるからです。
(出典:岡本綺堂『半七捕物帳』)
・自分の母親の実家に伝わったいろいろの伝説なども小耳に挟はさんでいた。
(出典:徳田秋声『黴』)
類語
・口碑(こうひ)
意味:古くからの言い伝え。伝説。(出典:デジタル大辞泉)
・民話(みんわ)
意味:民衆の生活の中から生まれ、民衆によって口から口へと伝えられてきた説話。昔話・伝説など。(出典:デジタル大辞泉)
・神話(しんわ)
意味:原始人・古代人・未開社会人などによって、口伝や筆記体で伝えられた、多少とも神聖さを帯びた物語で、宇宙の起源、超自然の存在の系譜、民族の太古の歴史物語を含むもの。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・昔話(むかしばなし)
意味:民俗学で、口承文芸の一。子供に語って聞かせるたぐいの、空想的な世界を内容とする話。(出典:デジタル大辞泉)
伝説の意味②「言い伝えること。言い伝えられること。また、うわさ。風聞。」
「伝説」の二つ目の意味は「言い伝えること。言い伝えられること。また、うわさ。風聞。」です。
①と同じく言い伝えられたことですが、こちらの場合は「うわさ」という意味を含み、単純に人づてに伝わっていくことや、それにより伝えられた話のことを意味します。
小説などでの具体的な使い方や類語は下記の通り。
使い方・例文
・それは本当のお定さんとは関係のないもはや一つの伝説であり、それはそれでいゝ。
(出典:坂口安吾『阿部定さんの印象』)
・狐や狸が化けるという伝説も嘘ではないということになってしまった。
(出典:岡本綺堂『二階から』)
・たださえ私が金持という伝説が偏見とさえなって流布しているのですから。
(出典:宮本百合子『獄中への手紙』)
・長い間、あの剣は、ただの伝説であり詩人の歌の題材にすぎぬと考えられていた。
(出典:アリグザンダー『(プリデイン物語5)タラン・新しき王者(完)』)
類語
・風聞(ふうぶん)
意味:ほのかに伝え聞くこと。うわさに聞くこと。うわさ。(出典:デジタル大辞泉)
・伝承(でんしょう)
意味:伝え聞くこと。人づてに聞くこと。(出典:デジタル大辞泉)
・俗伝(ぞくでん)
意味:世間で言い伝えられている事柄。また、その言い伝え。(出典:デジタル大辞泉)
・噂(うわさ)
意味:世間で言いふらされている明確でない話。風評。(出典:デジタル大辞泉)