悲傷
「友の死を悲傷する」などのように使う「悲傷」という言葉。
「悲傷」は、音読みで「ひしょう」と読みます。
「悲傷」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「悲傷」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介して、わかりやすく解説していきます。
悲傷の意味
「悲傷」には次の意味があります。
・悲しんで心を痛めること。(出典:デジタル大辞泉)
「悲傷」とは、痛ましい出来事により、胸を痛め悲しむことを言います。
小説などでの具体的な使い方や類語は下記の通り。
使い方・例文
・恐さや悲しみを感じることはあっても、そこに恐怖や悲傷は存在しなかった。
(出典:ベニー松山『風よ。龍に届いているか(下)』)
・ひとり波に洗われたる岩の上に、われはわが娘の悲傷の声を聞けり。
(出典:ゲーテ/高橋義孝訳『若きウェルテルの悩み』)
・悲傷してゐる母親と末妹とは、暫く箱根に置くことにして来たのださうであつた。
(出典:佐佐木茂索『ある死、次の死』)
・人間が愛して、触れ合って、やがて別れるという過程は何という悲傷であろう。
(出典:倉田百三『光り合ういのち』)
・そう思ったとき、治憲の胸を何の前触れもなくいきなり悲傷の思いがしめつけた。
(出典:藤沢周平『漆(うるし)の実のみのる国(下)』)
類語
・断腸の思い(だんちょうのおもい)
意味:はらわたがちぎれるほど、悲しくつらい思い。(出典:デジタル大辞泉)
・胸を痛める(むねをいためる)
意味:心を悩ます。ひどく心配する。(出典:デジタル大辞泉)
・耐え難い(たえがたい)
意味:がまんすることができない。辛抱できない。(出典:デジタル大辞泉)
・遣る瀬無い(やるせない)
意味:思いを晴らすすべがない。せつない。(出典:デジタル大辞泉)
・遣り切れない(やりきれない)
意味:がまんできない。耐えられない。(出典:デジタル大辞泉)