左翼
「左翼団体」などのように使う「左翼」という言葉。
「左翼」は、音読みで「さよく」と読みます。
「左翼」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「左翼」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介して、わかりやすく解説していきます。
左翼の意味
「左翼」には次の二つの意味があります。
1 鳥や飛行機などの、左の翼。
2 一般に社会主義、共産主義、無政府主義など、急進的、革新的傾向をもつ立場、あるいはその人物や団体。(出典:日本国語大辞典)
それぞれの意味、使い方、類語については下記の通りです。
左翼の意味①「鳥や飛行機などの、左の翼。」
左翼の一つ目の意味は「鳥や飛行機などの、左の翼。」です。
漢字の通り、左側の翼を意味しますが、鳥や飛行機に限らず、左右に広がったものの左部分を意味することも多いです。
小説などでの具体的な使い方や類語は下記の通り。
使い方・例文
・左翼は半分砂に埋まっていたが、上半角のついた翼端部は見えていた。(出典:野尻抱介『クレギオン 5 タリファの子守歌』)
・歓迎の宴席は、公館の左翼にあるいちばん大きな部屋に用意されていた。(出典:三浦真奈美『風のケアル 第3巻 嵐を呼ぶ烽火』)
・「それがしは、左翼に陣を布きましょう」 信長は、それを待っていた。(出典:池宮彰一郎『本能寺(上)』)
・一般の兵士が寝泊まりするのは左翼と右翼に設けられた粗末な小部屋だ。(出典:高千穂遙『美獣 神々の戦士』)
類語
・左側(ひだりがわ)
意味:左の方の側。(出典:日本国語大辞典)
・左手(ひだりて)
意味:左の方。(出典:日本国語大辞典)
・レフト
意味: 左。左側。(出典:日本国語大辞典)
・左方(さほう)
意味:左の方。ひだりがわ。(出典:日本国語大辞典)
左翼の意味②「一般に社会主義、共産主義、無政府主義など、急進的、革新的傾向をもつ立場、あるいはその人物や団体。」
「左翼」の二つ目の意味は「一般に社会主義、共産主義、無政府主義など、急進的、革新的傾向をもつ立場、あるいはその人物や団体。」です。
わかりやすく言えば「保守派に否定的な立場」という意味です。
小説などでの具体的な使い方や類語は下記の通り。
使い方・例文
・それに政府との対抗上、ぼくの属していた左翼ゲリラとも連携していた。(出典:藤原伊織『テロリストのパラソル』)
・一部の人々は博士を左翼の思想に可なりの同情を寄せている人と考えている。(出典:戸坂潤『現代哲学講話』)
・学校側の考え方を基準にすれば、左翼学生は不逞の徒だと云うだろう。(出典:石川達三『青春の蹉跌』)
・おれは左翼どもとおなじように、保守党のやつらも敵だと思うんだ。(出典:大江健三郎『政治少年死す (セブンティーン第二部)』)
類語
・左派(さは)
意味:政党などの組織の中で急進的な派。(出典:日本国語大辞典)
・ラディカリズム
意味:社会、政治、宗教、哲学、思想、芸術における進歩と変革を唱える潮流。(出典:日本大百科全書)
・革新(かくしん)
意味:習慣、制度、組織、方法などを改めて、新しくすること。(出典:日本国語大辞典)
・進歩(しんぽ)
意味:価値的によりよい,より完全な状態へと進む漸進的向上をいう語。(出典:百科事典マイペディア)