相克
「相克する気持ち」などのように使う「相克」という言葉。
「相克」は、音読みで「そうこく」と読みます。
「相克」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「相克」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介して、わかりやすく解説していきます。
相克の意味
「相克」には次の意味があります。
・対立・矛盾する二つのものが互いに相手に勝とうと争うこと。(出典:デジタル大辞泉)
中国の五行説に由来する言葉です。
五行説では、木は土に、土は水に、水は火に、火は金に、金は木にかつとされており、転じて、相反するものが互いに争うことを意味します。
小説などでの具体的な使い方や類語は下記の通り。
使い方・例文
・身近なライバルとの相克にひとまず敗れ去っただけのことである。(出典:山際淳司『スローカーブを、もう一球』)
・ああいう時はまず、声を掛け合って相克が起こらないようにするのが基本じゃないか。(出典:佐島勤『魔法科高校の劣等生 3 九校戦編 <上>』)
・それは深刻な父子相克の原因としては十分ではないのか。(出典:京極夏彦『鉄鼠の檻』)
・最初から約束とか、合意とかが成り立つことを期待できないような、相克的な関係なんです。(出典:大澤真幸『戦後の思想空間』)
・それは美しい獲物を前にした男の震えではなく、何か互いに馴染まない意志と欲望の相克による震えのようであった。(出典:森村誠一『虚無の道標』)
類語
・対立(たいりつ)
意味:反対の立場にある者が互いに譲らないこと。(出典:日本国語大辞典)
・ジレンマ
意味:二つの相反する事柄の板挟みになること。(出典:デジタル大辞泉)
・不一致(ふいっち)
意味:一致しないこと。(出典:デジタル大辞泉)
・齟齬(そご)
意味:物事がうまくかみ合わないこと。食い違うこと。(出典:デジタル大辞泉)
・矛盾(むじゅん)
意味:つじつまの合わないことのたとえ。(出典:故事成語を知る辞典)