抽出
「抽出する」などのように使う「抽出」という言葉。
「抽出」は、音読みで「ちゅうしゅつ」と読みます。
「抽出」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「抽出」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
抽出の意味
「抽出」には次の二つの意味があります。
1 多くの中からある特定のものを抜き出すこと。
2 液体または固体の中から特定の物質を溶媒に溶かして取り出すこと。(出典:デジタル大辞泉)
それぞれの意味、使い方、類語については下記の通りです。
抽出の意味①「多くの中からある特定のものを抜き出すこと。」
「抽出」の一つ目の意味は「多くの中からある特定のものを抜き出すこと。」です。
いくつかの物事の中から、特定のものを選び出すことをいいます。
リストなどから特定のものを選ぶ時に、よく使われます。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・調査は無作為抽出されたアメリカ人四千数百人について行なわれている。
(出典:竹内久美子『あなたの知らない精子競争 BCな世界へようこそ』)
・双方の文化を抽出すると、こういう毒にも薬にもならぬものになってしまう。
(出典:田辺聖子『イブのおくれ毛 Ⅱ』)
・これから単に日本観を抽出したあの紹介の方法に第一に抗議する。
(出典:竹内好『近代の超克』)
類語
・サンプリング
意味:抜き取り検査などのために見本を抜き出すこと。(出典:デジタル大辞泉)
・絞る(しぼる)
意味:範囲や数量を小さくする。(出典:大辞林 第三版)
・選別(せんべつ)
意味:選び分けること。より分けること。(出典:デジタル大辞泉)
・抜出(ぬきで)
意味:多くの中から選び出す。よりぬく。選抜する。(出典:精選版 日本国語大辞典)
抽出の意味②「液体または固体の中から特定の物質を溶媒に溶かして取り出すこと。」
「抽出」の二つ目の意味は「液体または固体の中から特定の物質を溶媒に溶かして取り出すこと。」です。
科学分野で、特定の成分を取り出す時などに使われます。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・死体のすべての部分から、検査すべき血液を抽出するのに暇がかかった。
(出典:山村美紗『京都殺人地図』)
・私は大だらいの中の水から一滴の墨汁を抽出しようとしていたのだ、と。
(出典:吉田知子『無明長夜』)
・しかしプラスミドDNAは驚くほど簡単な操作で抽出することができた。
(出典:瀬名秀明『パラサイト・イヴ』)
・昔はこのコーラのなかにもコカの葉の抽出成分がしっかりはいっていた。
(出典:石田衣良『骨音 池袋ウエストゲートパーク3』)
類語
・摘出(てきしゅつ)
意味:つまみだすこと。全体の中からあるものを特に抜き出すこと。(出典:デジタル大辞泉)
・蒸留(じょうりゅう)
意味:液体を沸騰するまで加熱あるいは減圧して蒸発させ、その蒸気を冷やして再び液体にすること。(出典:デジタル大辞泉)
・抽象(ちゅうしょう)
意味:事物または表象からある要素・側面・性質をぬきだして把握すること。(出典:デジタル大辞泉)
・濾過(ろか)
意味:液体や気体を多孔質の物質に通して固体粒を取り除くこと。(出典:デジタル大辞泉)