吃る
「緊張して吃る」などのように使う「吃る」という言葉。
「吃る」は、訓読みで「どもる」と読みます。
「吃る」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「吃る」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介して、わかりやすく解説していきます。
吃るの意味
「吃る」には次の意味があります。
・ものを言うとき、言い出しの音が容易に発音できなかったり、ある音が何度も繰り返されたりする。(出典:デジタル大辞泉)
「吃る」を分かりやすく言うと「言葉がスムーズに出てこないこと」という意味になります。
小説などでの具体的な使い方や類語は下記の通り。
使い方・例文
・彼は確かある年の秋、僕の顔を見るが早いか、吃るように僕に話しかけた。
(出典:芥川竜之介『彼』)
・彼の場合、緊張しなければさほど吃らないことは、すでにわかっている。
(出典:小林道雄『翔べ! はぐれ鳥』)
・子供の頃からそれほどひどくはないが時折吃る癖がありました。
(出典:石原慎太郎『遭難者』)
・母の助けを借りてこたえようとしても、吃るばかりで満足に返事もできなかった。
(出典:瀧澤美恵子『ネコババのいる町で』)
・中井さんは無口で、たまに口を開いても口下手で、しかも吃ってしまう。
(出典:藤原作弥『聖母病院の友人たち ―肝炎患者の学んだこと―』)
類語
・口籠もる(くちごもる)
意味:言葉や明瞭に発せず、口内にこもったような不明瞭な調子で発話するさまを指す言い方。
(出典:実用日本語表現辞典)
・吃音(きつおん)
意味:言葉を発する場合に連続して音が発せられたり、一時的に無音状態になったりすること。
(出典:実用日本語表現辞典)
・失語(しつご)
意味:言い間違えること。(出典:デジタル大辞泉)
・舌足らず(したたらず)
意味:舌の動きが滑らかでなく、物言いがはっきりしないこと。(出典:デジタル大辞泉)
・訥弁(とつべん)
意味:話し方がなめらかでないこと。(出典:デジタル大辞泉)