勧奨
「退職を勧奨する」などのように使う「勧奨」という言葉。
「勧奨」は、音読みで「かんしょう」と読みます。
「勧奨」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「勧奨」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介して、わかりやすく解説していきます。
勧奨の意味
「勧奨」には次の意味があります。
・すすめはげますこと。ほめてひきたてること。奨励。(出典:精選版 日本国語大辞典)
「勧奨」とはつまり、「あることについて、是非実行するようにすすめて励ますこと」という意味です。
小説などでの具体的な使い方や類語は下記の通り。
使い方・例文
・榛軒は父の本草趣味を伝へ、森枳園等に勧奨せられて、多く薬草を栽培した。
(出典:森鴎外『伊沢蘭軒』)
・しかしすべてを投げ出して突然の帰国勧奨に応ずることは、実際問題として不可能に近かった。
(出典:吉田満『鎮魂戦艦大和(上)』)
・三次町の起源が城主の勧奨によって始められた五日市であったのに対応する市として発生した市街であるだけに、庶民的な活気は現在にも受け継がれ、いまでは三次駅から北に展がる商業の中心として繁栄している。
(出典:内田康夫『後鳥羽伝説殺人事件』)
・さてこの家に住んでから、稲葉氏と親しく交わることになり、その勧奨に由って砂糖店をば開いたのである。
(出典:森鴎外『渋江抽斎』)
・フランス政府の勧奨により、二つの探検隊が組織され、それそれ北部から降って西部へと向かい、トンブクトゥで合流した。
(出典:ヴェルヌ/江口清訳『気球旅行の五週間』)
類語
・奨励(しょうれい)
意味:ある事柄を、よいこととして、それをするように人に強く勧めること。(出典:デジタル大辞泉)
・慫慂(しょうよう)
意味:そうするように誘って、しきりに勧めること。(出典:デジタル大辞泉)
・勧告(かんこく)
意味:ある行動をとるように説きすすめること。また、指揮命令の関係のない行政機関が、互いに自主性を尊重しつつ、相手の機関の任務達成について、専門的立場からの意見を提供すること。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・推奨(すいしょう)
意味:取り持ってある人を推薦すること。また、すぐれていることをほめて、その物を人にすすめること。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・推薦(すいせん)
意味:すぐれた人物として、ある地位につけるようにすすめること。よいと思い、また、適していると考える人物や事物を他人にすすめること。推挙。推輓(すいばん)。(出典:精選版 日本国語大辞典)