ATP
「ATPを作り出す」などのように使う「ATP」という言葉。
「ATP」は「Adenosine TriPhosphate」の略語です。
「ATP」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「ATP」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
ATPの意味
「ATP」には次の意味があります。
・アデノシン三燐酸。生物体内のほとんどの場所に存在し、体内でエネルギーを貯えたり、放出したりするのに最も重要な働きをする。(出典:精選版 日本国語大辞典)
生物のエネルギー代謝に用いられる化合物の一つです。ATPには3つの燐酸が結合しており、それを切り離す際に発生するエネルギーが運動エネルギーや熱エネルギーに利用されます。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・もしそのすべてが一斉にATPを生産しはじめたとしたらどうです。
(出典:瀬名秀明『パラサイト・イヴ』)
・ATPと呼ばれるエネルギーのもとを作るのが主な仕事だ。
(出典:竹内久美子『パラサイト日本人論 ウイルスがつくった日本のこころ』)
・はるか昔に習ったATPなる物質についても書かれていた。
(出典:星新一『きまぐれエトセトラ』)
・酸化循環の各段階で発生するエネルギーは、生化学者がATPと呼ぶ形をしている。
(出典:カーソン/青樹簗一訳『沈黙の春』)
・この抽出液をある組織につけ、もしそれが光ったならば、それはATPの存在を証明する
(出典:北杜夫『マンボウぼうえんきょう』)
類語
・高エネルギー化合物(こうえねるぎーかごうぶつ)
意味:生体内で加水分解される際に大きな自由エネルギーを放出する化合物。ATP・ホスホエノールピルビン酸・クレアチンリン酸などの高エネルギーリン酸化合物や、チオエステルのアセチルCoAなど。(出典:デジタル大辞泉)
・ADP(えーでぃーぴー)
意味:ADP(アデノシン二リン酸)はATP(アデノシン三リン酸)から1分子のリン酸が失われたもの(出典:日本大百科全書(ニッポニカ))
・ヌクレオチド
意味:塩基,ペントース,リン酸からなる物質で核酸の構成単位.…ATP,ADP,GTP,…などもヌクレオチド.(出典:栄養・生化学辞典)
・ATPアーゼ(えーてぃーぺーあーぜ)
意味:ATPの末端のリン酸基の加水分解を触媒する酵素で、ATPアーゼと略称される。(出典:日本大百科全書(ニッポニカ))